ECサイトとは?種類・構築方法や必要な機能・運営業務・集客方法を解説!

BASEとShopify徹底比較|どんな人におすすめ?費用・決済・機能・海外対応を比較!

ECサイト(Electronic Commerce Site)とは、インターネットで買い物できるWebサイト。それはわかるが、開業するにはなにをどうしたらいいのか?

そんな企業担当者に向け、概念・定義から種類、構築方法、必要な機能 / 運営業務、集客方法まで、ECサイトとはなにか?基本を解説していきます。

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目次
  1. 1. ECサイトとは?概念・定義
    1. 1-1. EC / ECサイトのビジネスモデル / 市場規模
  2. 2. ECサイトに必要な機能
  3. 3. ECサイトの種類 / 開業方法
    1. 3-1. モール型ECサイト / モール型ECサイトの例
    2. 3-2. 自社ECサイト / 自社ECサイトの例
  4. 4. 自社ECサイトの構築方法 / 代表的なサービス
    1. 4-1. ASP / makeshop
    2. 4-2. オープンソース / EC-CUBE
    3. 4-3. クラウドEC / Shopify
    4. 4-4. ECパッケージ / ecbeing
    5. 4-5. フルスクラッチ
  5. 5. ECサイト運営に必要な業務とは
    1. 5-1. フロント業務
    2. 5-2. バックエンド業務
  6. 6. 自社ECサイトは集客施策が必須
    1. 6-1. 売れるECサイトの前提はコンセプトと商材
    2. 6-2. モール型ECサイトとの併用も有効
  7. 7. ECサイトの基礎知識を紹介しました

ECサイトとは?概念・定義

より正確にいうと、ECサイトとは、電子商取引(EC)を目的としたWebサイトのことです。ここでいう「EC(電子商取引)」とは、オンラインで受発注が完結する商取引のこと。つまり、本来の意味でのECサイトには、オークションサイトやフリマサイトなども含まれます。

しかし、オークション / フリマサイトは、どちらかといえばマッチングサイトに分類されます。一般的には「インターネットでモノ・サービスを購入できるWebサイト / ネットショップ」を、ECサイトの概念・定義とする場合がほとんど。

小売業・卸業を含む流通業全体を「EC」に例えるなら、小売業にとっての店舗に該当するものが「ECサイト」というイメージです。

EC / ECサイトのビジネスモデル / 市場規模

「売り手・買い手の異なる複数ビジネスモデル」のある流通業と同様、EC / ECサイトにも「売り手・買い手の異なる」大きく4つのビジネスモデルが存在します。

EC / ECサイトの

ビジネスモデル

概要

ECサイトの例

BtoC EC

法人が消費者にモノ・サービスを

販売する電子商取引

Amazon、良品計画など

BtoB EC

法人が法人にモノ・サービスを

販売する電子商取引

ASKUL、モノタロウなど

DtoC EC

メーカーが消費者にモノ・サービスを

直接販売する電子商取引

キヤノンオンラインショップ、土屋鞄製作所など

CtoC EC

消費者が消費者にモノ・サービスを

販売する電子商取引

ヤフオク!、メルカリなど

なかでも、ECサイト開業を検討している方であれば、「BtoC EC」が気になっているはず。なぜならBtoC EC市場は、右肩上がりに規模を拡大させている成長産業だといえるからです。

経産省「令和3年度 電子商取引に関する市場調査」

画像出典:経産省「令和3年度 電子商取引に関する市場調査」

特に注目したいのは、モノを販売する物販系BtoC EC分野です。順調な成長を遂げているとはいえ、物販系のEC化率はわずか8.78%。新規参入の余地が充分にあるだけではなく、今後のさらなる市場規模拡大も期待できます。

約373兆円という、BtoC ECをはるかに上回る市場規模を持つ「BtoB EC」への参入を検討している企業担当者の方も少なくないでしょう。

EC(電子商取引)については以下の記事もあわせてご覧ください。

関連記事:ECとは?意味・概要・EC通販ビジネスの消費者メリット・事業者メリットを解説!

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ECサイトに必要な機能

それでは「BtoC EC」「BtoB EC」市場の店舗となるECサイトには、どのような機能が必要なのでしょうか?「インターネットでモノ・サービスを購入できる」という条件を満たすため、ECサイトには一般的なWebサイトとは異なる以下のような機能(カート機能)が求められます。

ECサイトに必要な機能

概要

商品マスター管理機能

商品名・画像・価格・説明文など、商品情報を登録・編集する機能

在庫管理機能

販売・仕入にともなう商品在庫数を管理する機能

顧客管理機能

顧客情報を管理する機能。登録・編集などの会員管理機能も含む

フォーム / メール配信機能

顧客からの問い合わせ対応、注文・発送完了メールやメルマガを配信する機能

受注 / 出荷管理機能

顧客からの受注情報、商品の出荷状況を管理する機能

決済機能

選択された決済情報を管理する機能。クレジットカードなどとの連携機能も含む

デザイン機能

ショップコンセプトにあわせてECサイトのデザインを編集する機能

販促系機能

キャンペーンページの作成、クーポン発行、レコメンドなど

ECサイトの種類 / 開業方法

必要な機能を備えたECサイト(店舗)を開業するには、どこに店舗を設置するのか?設置場所 / 開業方法を決めなければなりません。一般的に、ECサイトには「モール型」「自社型」という2つの種類があり、どちらかの方法で開業します

モール型ECサイト / モール型ECサイトの例

モール型ECサイトとは、インターネット環境に構築された仮想ショッピングモールの一部をレンタルして出店するタイプのECサイト。実際のショッピングモール / アウトレットなどに、テナント出店することと同じです。モール型の場合、上述した機能をほぼ網羅しているため、商品登録と簡単な設定で素早くECサイトを開業できます。

モール型ECサイトのメリットは、モール自体が持つ集客力を活かせること、初期費用を抑えてECサイトを開業できること。デメリットは出店料(手数料)がかかること、モール内競合との価格競争になりやすいことです。代表的なモール型ECサイトとしては「Amazonマーケットプレイス」「楽天市場」などが挙げられます。

Amazon

Amazon

画像出典:Amazon

楽天市場

楽天市場

画像出典:楽天市場

自社ECサイト / 自社ECサイトの例

自社ECサイトとは、自社取り扱い商品を販売するため、独自に構築するタイプのECサイト。モールに出店したテナントに対する、ロードサイド店 / 路面店をイメージするとわかりやすいでしょう。

構築方法によって若干異なりますが、自社ECサイトのメリットは、モール型よりも高い自由度 / 柔軟性を持つこと、そのため競合他社と差別化しやすいこと。デメリットは構築費用がかかること、サイト管理 / 運営 / 集客は自社責任になることです。

自社ECサイトの代表例としては、2000年からEC市場に参入しているDtoC EC、ユニクロオンラインショップ。BtoB ECサイトとしては日本最大級の売上を誇るASKUL(アスクル)などが挙げられます。

ユニクロオンラインショップ

ユニクロオンラインショップ

画像出典:ユニクロオンラインショップ

ASKUL(アスクル)

ASKUL(アスクル)

画像出典:ASKUL

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自社ECサイトの構築方法 / 代表的なサービス

自社ECサイトを構築する方法は、大きく「ASP」「オープンソース」「クラウドEC」「パッケージ」「フルスクラッチ」の5つ。「インターネットでモノ・サービスを購入できるWebサイト / ネットショップ」を構築するという意味では同じですが、特徴・自由度・構築費用はそれぞれ異なります。代表的なサービスとともに紹介していきましょう。

自社ECサイトの

構築方法

カスタマイズ・柔軟性

費用感

ASP

低:提供されるサービスの範囲内

初期費用:無料〜数万円

月額費用:数千円〜2万円前後

オープンソース

中:プラグインで機能拡張可能、

カスタマイズにはプログラミングスキルが必要

プログラム自体は無料

レンタルサーバ:月額数千円〜数万円

クラウドEC

中:アプリ / オプションで機能拡張可能、

カスタマイズにはプログラミングスキルが必要

初期費用:無料〜10万円

月額費用:5,000円〜20万円

ECパッケージ

高:独自カスタマイズに対応

パッケージ費用:150万円〜

サーバ:導入形態による

フルスクラッチ

もっとも高い:事実上の制限なし

開発費用:500万円〜

サーバ:導入形態による

ASP / makeshop

ASPとは、ベンダーがクラウド環境に用意したEC構築プラットフォーム(アプリケーション)をレンタルして構築するECサイトのこと。または、文字通り(Application Service Provider)EC構築プラットフォームを提供するベンダーのことです。

ECサイト構築に必要なものがプラットフォームに用意されているため、ユーザーはハードウェア / ソフトウェアを準備することなく、素早く自社ECサイトを開業できます。テンプレートを活用して自社向けにショップデザインを変更できますが、カスタマイズの自由度は低め。原則として、ベンダーから提供される以上の機能は利用できません。

ASPを代表するサービス / ベンダーとして挙げられるのは、GMOメイクショップ株式会社が開発・提供する「makeshop」があります。

ASP / makeshop

画像出典:makeshop

オープンソース / EC-CUBE

オープンソースとは、ソースコード(プラグラムを構成する文字列)が公開されているコンピュータープログラムのこと。または、オープンソースを利用して構築されたECサイト / Webサイトのことです。

だれでも無料で利用でき、公開されているソースコードをベースに、カスタマイズを加えながら自社ECサイトを構築できることが特徴。豊富に用意されたプラグインを利用して、機能を追加していくことも可能です。

一方、プログラムを動作させる環境(サーバ / ネットワーク)を用意する必要があり、保守を含めた運用は自社責任で実施しなければなりません。カスタマイズするためにはプログラミングのスキルも要求されます。

ECサイト構築向けのオープンソースを代表するサービスとして挙げられるのは、株式会社イーシーキューブが公開する「EC-CUBE」です。

オープンソース / EC-CUBE

画像出典:EC-CUBE

クラウドEC / Shopify

クラウドECとは、クラウド環境に用意されたEC構築プラットフォームサービスのこと。SaaS型として提供される点ではASPと同様ですが、ASPよりも拡張性 / カスタマイズ性に優れたサービスをクラウドECと呼ぶ場合が多いようです。

ハードウェア / ソフトウェアがプラットフォームに用意されているため、自社ECサイトを素早く構築可能。アプリ / プラグインで機能を拡張できるほか、ショップデザインをカスタマイズして独自性の高いECサイトを構築できます。

クラウドECを代表するサービスとして挙げられるのは、カナダ発祥のグローバルコマースプラットフォーム「Shopify」です。

クラウドEC / Shopify

画像出典:Shopify

ECパッケージ / ecbeing

ECパッケージとは、ECサイト構築に必要な機能を網羅したパッケージソフトウェアのことです。オンプレミスまたはクラウドに用意した自社プラットフォーム(サーバ / ネットワーク)にインストールしてECサイトを構築。中規模〜大規模ECサイトを構築する際に利用される方法です。

カスタマイズの自由度が高いこと、ソースコードを開示していないため安全性に優れることがECパッケージの特徴。一方、初期費用が高額であり、カスタマイズをベンダーに依存することから、資金面で余裕のある中堅〜大企業の利用に限定される一面があります。

ECパッケージを代表するサービスとして挙げられるのは、株式会社ecbeingが開発・提供する「ecbeing」です。

ECパッケージ / ecbeing

画像出典:ecbeing

フルスクラッチ

フルスクラッチとは、なにもないゼロの状態からコンピュータープログラムを開発すること。または、ゼロから開発されたECサイトのことです。ソフトウェアの開発はもちろん、ハードウェアも準備する必要があるため、自社ECサイトを構築する方法としては、もっとも高額な費用がかかります。

ハードウェア / ソフトウェアに制限がないため、事実上、どのようなECサイトでも構築できることがメリット。これまでにないビジネスモデルをECサイトに反映させたい、といったニーズに最適です。経験豊富なシステム開発会社に構築依頼する場合が一般的ですが、フルスクラッチを選定できるのは資金力のある大企業に限られます

ECサイト運営に必要な業務とは

商品の陳列、接客・販売など、実店舗を運営していくためにはさまざまな運営業務が必要。同じように、ECサイトを運営していくためにも「やらなければならない必須の業務」があります。大きく「フロント業務」「バックエンド業務」に分類できる、ECサイト運営に必要な業務を以下から簡単に解説していきましょう。

フロント業務

集客・マーケティング、商品企画・マーチャンダイジング、ショップデザインなど、顧客の目に見えるエリアのECサイト運営業務を「フロント業務」と呼びます。主な業務例は以下の通り。

 

フロント業務の具体例

概要

マーケティング

集客施策

SEO対策、SNS運用、広告運用、ブログなど

キャンペーン企画

集客目的のプロモーション

マーチャンダイジング

商品企画

ターゲットに訴求する新商品の開発・発掘など

商品仕入・在庫管理

過不足のない在庫調整など

価格調整・商品入れ替え

季節・時期に応じて売れ筋商品を揃える、在庫処分など

ショップデザイン

ショップデザイン変更、

バナー追加など

顧客が購入しやすいデザインに調整

バックエンド業務

商品登録、受発注、事務管理など、顧客の目に見えないエリアのECサイト運営業務を「バックエンド業務」と呼びます。一般企業の事務方を「バックエンド」と呼ぶことをイメージするとわかりやすいでしょう。主な業務は以下の通り。

 

バックエンド業務の具体例

概要

商品登録

商品の基本・詳細情報登録

商品名・価格・サイズなどのスペック、商品写真など

ささげ業務

撮影・採寸・原稿の略称

受発注管理

現物を含む在庫管理

保管・管理などの倉庫業務

受発注業務

受注〜発送までの一連の業務

顧客対応

顧客からの問い合わせ対応など

事務管理

経理業務

売上・経費・人件費など

システム運用

不具合への対応、新機能の追加検討など

自社ECサイトは集客施策が必須

さまざまな業務をこなす必要のある自社ECサイトですが、もっとも重要なのは「集客施策」です。なぜなら、それ自体に集客能力のあるモールと異なり、自社ECサイトは「人通りのない国道にロードサイド / 路面店を出店する」のと同じだから。

顧客に国道へ足を向けてもらう、さらには入店してもらうためには、自社ECサイトの魅力をアピールしなければなりません。

売れるECサイトの前提はコンセプトと商材

フロント業務を見てもお分かりのように、自社ECサイトの集客施策にはSEO対策、SNS運用、広告運用、ブログ、プロモーションなどがあります。しかし、実際の施策を講じる前に、自社ECサイトのコンセプト / 商材を明確にしておくことが重要です。

ECサイトにおけるコンセプトとは、どのような商材をだれ(ターゲット)に販売するのか?どのような価値を提供するのか?ECサイトとしての一貫した考え方・方針です。コンセプト / 商材が明確になっていれば、各集客施策で自社ECサイトの魅力をブレることなく伝えられます。

モール型ECサイトとの併用も有効

EC市場に参入した初期段階などは、自社ECサイトと並行して、モールを併用する方法も考えられます。集客施策の効果が現れるまでには時間がかかること、ある程度の即効性が期待できるWeb広告にはコストがかかることがその理由です。

モール型ECサイトは「利益を確保しづらい」デメリットはあるものの、自社を知らない顧客の来店が期待できます。自社ECサイトの知名度を高めていくのにも役立つでしょう。実際、多くのEC事業者が、自社ECサイトとともにAmazon、楽天市場などのショッピングモールを併用しています。

ECサイトの基礎知識を紹介しました

ECサイト(Electronic Commerce Site)とは、インターネットで買い物できるWebサイト。それはわかるが、開業するにはなにをどうしたらいいのか?そんな疑問を持つ企業担当者に向け、概念・定義から種類、構築方法、必要な機能 / 運営業務、集客方法まで、ECサイトとはなにか?基本を解説してきました。

同じ小売業でも、業種・業態・取扱商品・規模の異なるさまざまな店舗が存在するように、ECサイトのあり方もさまざま。自社のビジネスモデルに合致したECサイトを構築するにはどうしたらいいのか?迷ってしまったときは、専門家に相談してみるのも方法です。

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