ECサイトのSEO対策|SEOに強いECサイトにする方法・注意点を解説!
ECサイトにもSEO対策が必要だと聞いた。しかし、用語は知っているがSEO対策とはなにか?よくわからないというEC担当者は少なくないはず。
そんな方に向け、SEO対策の基本から、具体的な施策まで、SEOに強いECサイトにする方法や注意点をできる限りわかりやすく解説していきます。
なお、ECサイト制作会社の探し方・選び方がわからない!という方はEC幹事にお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算に合った最適な会社を厳選してご紹介します。相談料・会社紹介料などは無料です。
SEO対策はECサイトに必須の集客施策
ECビジネスを成功させるためには、商品購入の可能性がある潜在的な顧客を「自社ECサイトへ集客」しなければなりません。そのためには、いくつかの集客施策を併用していくことになりますが、なかでも「SEO対策」は、ECサイトの集客に欠かせない非常に重要な施策です。それはなぜか?
ECサイトへの集客施策は「顧客との接点となるチャネル」を活用して情報発信することが基本。たとえば、代表的な集客施策であるWeb広告の場合、リスティング広告やディスプレイ広告がチャネルとなります。特にリスティング広告は、ECサイトへ大きな流入(集客)が見込める効果的な施策だといえるでしょう。
しかし、リスティング広告に劣らない集客効果を発揮する施策こそが「自然検索」をチャネルとするSEO対策。SEO対策がECサイトに必須の集客施策であるのはこのためです。
画像出典:ECマーケティング株式会社
リスティング広告のように広告費がかからず、コストを抑えながら実施できるのもSEO対策のポイント。掲載をやめれば効果がなくなるWeb広告と違い、継続的な集客効果も望めます。すぐに効果が表れるわけではありませんが、SEO対策はECサイト担当者であれば、必ず取り組むべき集客施策なのです。
ECサイトの集客については以下の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:自社ECサイトへの集客方法|集客の基本・具体的な方法・成功のポイントを解説!
SEO対策とは
それでは、そもそもSEO対策とはなんでしょう。SEO(Search Engine Optimization)対策とは、文字通り、自社ECサイトを検索エンジンに最適化させ、自然検索結果の上位表示を目指す対策のこと。SEO対策によって、自社ECサイトのコンテンツが上位表示されれば、大きな流入(集客)が見込めるのは上述した通りです。
検索エンジンの仕組みは比較的シンプル。サイトを定期的に巡回するロボット(クローラー)が自社ECサイトを発見(クロール)し、ページ情報をデータベースに登録(インデックス)します。
検索エンジンは、登録されたデータをもとに「検索キーワード」に適したページを表示するというわけです。
つまり、自社ECサイトのページをクロール / インデックスしてもらうこと、検索キーワードに最適化されたページを作ることがSEO対策の基本です。
4施策に分類できるECサイトのSEO対策
仕組み自体はシンプルな検索エンジンですが、検索結果上位を目指すことは簡単ではありません。そのため、ECサイトのSEO対策は、大きく4つに分類される施策を同時に進めていきます。
SEO対策の分類 |
概要 |
内部対策 |
クローラーが情報を収集しやすいよう、自社ECサイトの構造を最適化する |
コンテンツ対策 |
ECサイトの商品情報が自然検索結果に上位表示されるよう、 コンテンツを最適化する |
コンテンツSEO / コンテンツ マーケティング |
有益な情報を発信し、潜在的な顧客層に自社ECサイトを見つけてもらう |
外部対策 |
外部サイトから自社コンテンツへリンクしてもらう対策。 外部からの良質な被リンクは自社ECサイトの評価につながる |
コンテンツ対策とコンテンツSEOはなにが違うのか?混乱してしまう方が多いかもしれません。少し補足説明しておきましょう。
ECサイトのコンテンツとは
そもそも、コンテンツ(Contents)とは「内容 / 中身」を意味する英単語のこと。しかし、Webの世界では「ページの中身となる情報そのもの」を指す場合が一般的です。つまり、ECサイトを構成するWebページは、すべて「コンテンツ」になります。以下の図は、ECサイトを構成するサイトマップのイメージです。
トップページ以下、多数のWebページ(コンテンツ)で構成されていることがわかりますが、すべてのコンテンツに対して「コンテンツ対策」するわけではありません。対策の対象となるコンテンツは「商品一覧」「商品カテゴリー」「商品詳細ページ」の3つが基本。
つまり、コンテンツ対策とは「ユーザーが商品カテゴリや商品名で検索した」ときに、自社アイテムが上位表示されるようコンテンツを最適化するSEO対策です。
コンテンツSEO / コンテンツマーケティングとは
ただし、自社アイテムが上位表示されても、そのままユーザーに購入してもらえるとは限りません。むしろ、自社ECサイトの知名度・信頼度が低ければ、購入を敬遠されてしまうでしょう。こうした場合に有効な施策が、コンテンツSEOであり、コンテンツマーケティングです。
コンテンツSEO / コンテンツマーケティングとは、潜在的な顧客が知りたい有益な情報を発信し、顧客側から能動的に自社を見つけてもらうマーケティング手法のこと。中長期的な観点で潜在顧客との信頼関係を構築し、自社のファンになってもらう集客施策です。ブログを活用して「お役立ち情報」などを投稿することが一般的。以下はそのイメージ図です。
コンテンツSEO / コンテンツマーケティングは、ECサイトの流入チャネルを増やすのにも有効。ECプラットフォームのブログ機能を利用する、または、WordPressなどのブログサイトをECサイト直下のURLで運用する方法があります。
ECサイトのSEO対策:内部対策
ECサイトにおけるSEO対策の重要性、大きく4つに分類できる施策を把握できたところで、具体的な対策方法を施策ごとに解説していきましょう。
まずは内部対策。SEO内部対策の主な目的は、自社ECサイトのページを適切にクロールしてもらうこと。検索エンジンのデータベースに適切にインデックスしてもらうことです。
ディレクトリ構造の最適化
ディレクトリとは、複数のファイルを整理・分類して格納する入れ物のこと。たとえば、ECサイトを構成するWebページは、「商品一覧」>「商品カテゴリー」>「商品詳細ページ」のように、階層構造で整理・分類されています。この場合、商品一覧などに該当するのがディレクトリ、階層構造を持つディレクトリの全体像をディレクトリ構造といいます。
つまり、ディレクトリ構造の最適化とは、Webページを格納するディレクトリの階層構造を「シンプルに整理」すること。具体的には、何度もクリックせず目的のページにたどり着けるよう、だれが操作してもわかりやすいように階層構造を最適化することです。
これによって、クローラーがECサイトをクロール / インデックスしやすい環境を作れます。サイト管理しやすくなる、ユーザビリティが向上するなどの効果も得られるため、SEO対策を抜きにしてもやっておくべき対策です。
サイトマップの設置
サイトマップとは、ECサイトを構成するWebページ / 画像 / 動画などの関係性を記述したファイルのこと。クローラーはサイトマップを読み込んで効率的にクロール / インデックスするため、作成してECサイトに設置しておくことがおすすめです。
サイトマップには、XML / RSSなどいくつかの形式がありますが、XMLで作成することが一般的。作成したサイトマップはECサイトの任意の場所に設置したのち、Googleサーチコンソールを利用してクローラーに知らせましょう。
パンくずリストの設置
パンくずリストとは、現在のページがECサイトのどの階層なのかを表示したリストです。当メディア、EC幹事ではサイト上部に設置されています。
クローラーはページのリンクをたどってWebページをクロール / インデックスするため、パンくずリストの設置は非常に有効。ユーザビリティの向上にもつながるため、パンくずリストはディレクトリ構造にしたがって正しく表示されるようにしましょう。
販売終了 / 重複ページの対処
商品のバリエーションが多く、入れ替えも頻繁なECサイトは、販売終了商品のページが残ってしまう、重複ページが増えてしまうことが少なくありません。しかし、そのまま放置すると、クローラーに「品質の低いページが多いECサイト」と評価されてしまう可能性があります。販売終了 / 重複ページは、状況に応じて適切に対処しておくことが重要です。
|
対処例 |
販売終了ページ |
品切れの場合は一時的に欠品していることを記載する |
ページはそのまま残し、類似商品をレコメンドする |
|
ページを削除して404エラーを表示 |
|
重複ページ |
重複ページを1ページにまとめ、サイズ / 色などをプルダウンで選択させる |
不要なページを削除する |
モバイルフレンドリー
モバイルフレンドリーとは、スマートフォンでの閲覧 / 操作に最適化されていること、または最適化されたECサイト / Webサイトのこと。Googleは、2015年にモバイルフレンドリーアップデートを実施し、スマートフォンに最適化されていないWebページの順位を引き下げています。つまり、モバイルフレンドリーは必須のSEO対策。
これは、スマートフォンを利用するインターネットユーザーがPCを上回った状況を反映したものです。レスポンシブ対応のECサイトであれば適合していると考えられますが、念のため「モバイルフレンドリーテスト」ページに自社URLを入力して確認しましょう。
画像出典:Googleモバイルフレンドリーテスト
表示速度の改善
モバイルフレンドリーは、UX(ユーザー体験)を重視したGoogleの取り組みですが、同様の取り組みとしては「表示速度の改善」も挙げられます。なぜなら、表示速度はユーザビリティに大きく関連するから。これを反映したGoogleの指標が「コアウェブバイタル(Core Web Vitals)」です。
なかでも重視したいのが、Webページ内でもっとも容量の大きな画像やテキストブロックを、どのくらいの速さで表示できるかを評価する指標「LCP」です。描画速度の基準値は以下のように設定されているため、PageSpeed Insightsでチェックし、改善が必要なら画像のサイズ / 圧縮方法などを再検討してみましょう。
指標 |
描画速度 |
良好(基準をクリア) |
2.5秒以下 |
改善の余地あり |
2.5秒〜4.0秒 |
要改善 |
4.0秒以上 |
画像出典:Google PageSpeed Insights
ECサイトのSEO対策:コンテンツ対策
コンテンツに関連したSEO対策のキーは、文字通り「キーワード」です。なぜなら、コンテンツ対策の目的は、自社アイテムが検索結果上位に表示され、ユーザーの自然流入を促すものだから。自社の見込み顧客となり得る潜在層が、どのようなニーズを持ち、どのようなキーワードで検索するかを予測し、それに沿ったコンテンツを制作することが基本です。
ただし、自社アイテムに関連するキーワードはすべて重要、というわけではありません。「クエリ」と呼ばれる、検索に使われるキーワードには「4つのニーズ」があり、それぞれ検索の目的は異なります。
クエリの種類 |
ニーズ / クエリの例 |
Know |
知りたい、疑問を解決したい。「SEO対策 とは」など |
Do |
手順・方法を知りたい。「SEO対策 方法」など |
Buy |
商品・サービスが欲しい、購入したい。「CRM おすすめ」「CRM 安い」など |
Go |
行きたい、もしくは指名検索。「渋谷 居酒屋」「EC幹事」など |
このことからもわかるように、自社アイテムを検索上位に表示させる目的のコンテンツ対策には「Buyクエリ」が有効。有用な情報を発信してユーザーのファン化を促す目的のコンテンツSEO / コンテンツマーケティングには「Knowクエリ」「DOクエリ」が有効です。
キーワードの選定
それでは、コンテンツ制作するためのキーワードは、どのように選定すればいいのか?コンテンツ対策 / コンテンツSEOでは、「ECサイト 作り方」など、元になる検索クエリに複合ワードを組み合わせることが基本。
ベースになるクエリをもとに、キーワードを手動でピックアックしていく方法もありますが、ツールを活用して効率化しましょう。Google広告が提供する無料ツール「キーワードプランナー」がおすすめです。
画像出典:Googleキーワードプランナー
タイトルタグ / ディスクリプションタグ
タイトル(タグ)/ ディスクリプション(タグ)は、ECサイトのコンテンツを制作する上で重要なSEO対策。なぜなら、検索結果にタイトルはそのまま、ディスクリプションはスニペットとして表示されるからです。
ポイントとなるのは「キーワードをタイトル / ディスクリプションの前半に含める」こと。キーワードを使って検索しているユーザーが思わずクリックしてしまう魅力的な文章にすることです。
紹介文 / 画像
商品の紹介文 / 画像などのコンテンツは、ユーザー目線で制作することが重要。
SEOを意識するあまり、本文内にキーワードを含めすぎると不自然な文章になるだけでなく、SEOにもいい影響を与えません。商品ページにアクセスしたユーザーが「知りたい情報を網羅する」という意識が大切です。
また、商品イメージを具体的に伝えるために写真 / 画像は重要ですが、過度な画像の活用は表示速度の低下につながります。商品イメージとユーザビリティの兼ね合いを考えながら、掲載枚数や画像サイズを調整していきましょう。
ECサイトのSEO対策:コンテンツSEO
ブログを活用したECサイトのSEO対策「コンテンツSEO」は、顧客となり得る潜在層から能動的に自社を見つけてもらい、自社のファンになってもらうことが目的。キーワード選定、タイトル / ディスクリプションタグに関する考え方は同じであるものの、コンテンツ対策とは制作の方向性がやや異なります。
ユーザーの知りたい有益な記事を作成
自社アイテムに関連するコンテンツを制作するという意味では、コンテンツ対策もコンテンツSEO / コンテンツマーケティングも同じ。ただし、自社アイテムを直接的に取り上げるコンテンツ対策に対し、コンテンツSEOでは「自社アイテムの潜在顧客層が知りたい有益な情報」を取り上げる点で異なります。
たとえば、自社アイテムが掃除機なら、コンテンツSEOで取り上げる題材は「掃除機のお手入れ方法」「掃除機の使いこなし術」など。広告色を排し、有益な情報を提供することで、中長期的にユーザーとの信頼関係を築いていく取り組みです。
ポイントとなるのは、質の高いコンテンツを制作すること。そのためには、同じキーワードを使う競合記事を調査・分析し、検索者の意図(知りたいこと)をしっかり汲み取る必要があります。
継続的な取り組み / 定期的なリライト / 専任担当者
コンテンツSEO / コンテンマーケティングで重要なのは、継続的に取り組むこと、定期的にリライトすること、管理するための専任担当者を設置すること。なぜなら、コンテンツSEOは「即効性はない」「コンテンツが資産になる」「質だけではなく量も重要」という特徴を持つ施策だからです。断続的に取り組んでも思ったような効果は得られません。
つまり、潜在層から能動的に自社を見つけてもらうには、継続的に質の高いコンテンツを制作する必要があり、信頼関係を築くにはコンテンツ量が必要。蓄積されたコンテンツの普遍性を保つには、変化に即したリライトが必要であり、すべてを適切に管理するには専任担当者が必要というわけです。
ECサイトのSEO対策:外部対策
ECサイトのSEO外部対策とは、外部サイト / メディアから被リンクを獲得し、検索エンジンの評価を高めることを目的とした施策です。代表的な方法としては「外部メディアへのプロモーション」「SNSの活用」が挙げられます。
外部メディアへのプロモーションとは、自社アイテムを取り上げてもらうよう外部メディアに働きかけること。プレスリリースが代表的な施策ですが、汎用的な商材を扱うECサイトには使いづらく、PR活動にリソースを割かなければならないデメリットがあります。
一方、自社アカウント運用による「SNS活用」は、手軽に取り組めるSEO外部対策です。フォロワーの存在は被リンクにいい影響を与えるだけでなく、情報拡散による集客効果も期待できるため、是非取り組んでおきたい施策です。
ECサイトのSEO対策で注意しておくべきポイント
検索結果の上位表示を得られるSEO対策の効果は絶大です。そのため、ついついSEOを中心とした施策に集中してしまいがちですが、過度な対策は逆効果である場合も。最後に、ECサイトのSEO対策で注意しておきたいポイントを解説しておきましょう。
スパム行為にみなされるSEO対策はNG
スパム行為とみなされるSEO対策は、検索結果から除外されるなどのペナルティを課される場合があります。たとえば、「不正な被リンク」「過度なキーワード」などがスパム行為にみなされる代表例です。
不正な被リンクとは、ダミーのWebサイトを複数公開し、自社ECサイトへ被リンクする行為のこと。現在ではポリシーが変更されているため、こうしたスパム行為はペナルティの対象ですが、いまだに同様の行為を推奨するSEO対策会社もあるため注意が必要です。
ユーザーファーストのECサイトを目指す
検索結果の上位表示を目指すため、コンテンツ内にキーワードを過度に散りばめる行為も多く見られましたが、これもSEO対策としては逆効果。ここまでの解説でもたびたび触れてきたように、Googleがもっとも重視しているのが「検索ユーザーにとって有益であること」だからです。
なぜなら、有益なサイトであるとユーザーから認められなければ、Google自体の運営が成り立たないからです。SEO対策は重要ではありますが、その根底にあるのは「ユーザーファースト」であることを忘れてはなりません。
ECサイトのSEO対策の全体像を紹介しました
ECサイトにもSEO対策が必要だと聞いた。しかし、用語は知っているがSEO対策とはなにか?よくわからない。そんなEC担当者の方に向け、SEO対策の基本から具体的な施策まで、SEOに強いECサイトにする方法や注意点をできる限りわかりやすく解説してきました。
ユーザーファーストという基本にブレはないものの、その方針を貫くため「SEOに関するポリシー」は頻繁に変更が加えられています。考え方はシンプルであるものの、対策は複雑かつ困難であることもSEOの特徴。対策の立案、実施に迷うなら、外部のSEO専門家にアドバイスを仰ぐことも方法です。
なお、ECサイト制作会社の探し方・選び方がわからない!という方はEC幹事にお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算に合った最適な会社を厳選してご紹介します。相談料・会社紹介料などは無料です。