ECサイトをShopifyに移行する方法|手順、注意点を解説!
「現在のECサイトをShopifyへ移行しようと考えているけれど、どうすればよいかわからない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。そのような方に向けて、Shopifyに移行する方法を詳しく解説します。本記事を読めば、移行するベストなタイミングやメリット、注意点などがわかるのでぜひ最後まで読んでみてください。
なお、ECサイト制作会社の探し方・選び方がわからない!という方はEC幹事にお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算に合った最適な会社を厳選してご紹介します。相談料・会社紹介料などは無料です。
Shopifyへの主な移行方法
Shopifyへの移行方法は以下の3つです。
- データをコピー&ペーストする
- CSVファイルを使用する
- 専用のアプリを使用する
それぞれの方法について、詳しく説明します。
データをコピー&ペーストする
1つ目は、コピー&ペーストしてデータを移行する方法です。手作業で行わなければならないので時間がかかる上、データの移行に漏れやミスが発生するリスクがあります。ECサイトのデータが少ない場合はこの方法でも対応できますが、データ移行後のダブルチェックは欠かせないでしょう。
CSVファイルを使用する
2つ目は、CSVファイルを用いてデータを移行する方法です。先述のコピー&ペーストと同様に、手作業で行う必要があるため時間がかかる上、ミスが起こるリスクがあります。さらに、CSVファイルで移行できるデータは商品情報と顧客情報のみ。事業が拡大していたり、移行するデータ量が膨大であったりする場合はおすすめできませんが、移行するデータが少ない場合はこの方法を活用してもよいでしょう。
専用のアプリを使用する
3つ目は専用のアプリを活用してデータ移行する方法です。データを移行する場合に、一番おすすめできる方法で、主な特徴は以下の2つです。
- CSVファイルだけではなく、ExcelファイルやGoogleスプレッドシートを使える
- 商品情報や顧客情報、注文情報などの大量のデータを移行できる
おすすめのアプリを2つ紹介します。
Matrixify
Shopifyで利用できるアプリの大半は海外製で、残念ながら日本語対応のアプリは非常に少ないのが現状です。しかし、Matrixifyは日本語対応のアプリで、カスタマーサービスも日本語に対応しています。各プランは以下のとおりです。
プラン |
月額料金 |
移行できるデータ量 |
DEMOプラン |
無料 |
商 品 10件 顧 客 10件 注 文 10件 支 払 い 10件 コレクション 10件 割 引 10件 ペ ー ジ 10件 リダイレクト 10件 |
BASICプラン |
20ドル |
商 品 5,000件 顧 客 2,000件 注 文 1,000件 支 払 い 366件 コレクション 300件 割 引 300件 ペ ー ジ 50件 リダイレクト 10,000件 |
BIGプラン |
50ドル |
商 品 50,000件 顧 客 20,0000件 注 文 10,000件 支 払 い 3,660件 コレクション 3,000件 割 引 3,000件 ペ ー ジ 500件 リダイレクト 100,000件 |
ENTERPRISEプラン |
200ドル |
無制限 |
無料プランで、1度に扱えるデータ量は商品情報10件、顧客情報10件など、各カテゴリーで最大10件まで。まずは無料プランを試してみて、継続して使いたいと思ったら有料プランに切り替えましょう。
BASEショップ情報移行アプリ
BASEショップ情報移行アプリは、BASEのデータをShopifyに無料で移行できるアプリです。商品情報や注文情報、カテゴリ情報を移行できます。CSVファイルを使用してデータを移行します。アプリ内はすべて日本語なので、ストレスなく移行作業を実施できるでしょう。
Shopifyへの移行の手順
Shopifyへの移行手順は以下のとおりです。
- 事前準備をする
- データをインポートする
- インポートしたデータを確認する
- 移行後のサイトのデザインをする
- ドメインを設定する
- 配送の設定をする
- 税金を設定する
- 決済サービスについて設定する
- テスト注文をする
- サイトのリニューアルを顧客に知らせる
- URLリダイレクトの設定を行う
各手順について詳しく解説します。
事前準備をする
事前準備で行うべき項目は3つです。
Shopify公式サイトの「移行時に考慮する必要があること」を読む
「移行時に考慮する必要があること」では、サイト内の画像やテーマファイルなどのURLから「http:」や「https:」を削除しなければならないことなどが書かれています。必ずチェックしましょう。
参考:Shopify「移行時に考慮する必要があること」
サイトを移行することを顧客に事前連絡する
サイトを移行すると、デザインや仕様が変わります。何も知らされていなかったら、顧客が混乱してしまい、問い合わせ対応などのコストがかかってしまうおそれがあります。無用な混乱を避けるためにも、必ず事前に連絡しましょう。
移行するデータが最新かつすべて揃っているか確認する
データが不完全だったり、最新ではなかったりする場合、正常に移行できません。移行前にはデータが最新かつすべて揃っているかを必ず確認しましょう。
データをインポートする
Shopifyにデータをインポートする(読み込む)方法は前述した3つです。コピー&ペーストやCSVファイルでは時間がかかり、ミスも起きやすくなるので、アプリの使用をおすすめします。
インポートしたデータを確認する
データ移行後は、正常に移行できたか確認しましょう。確認する項目は以下の4つです。
- 商品の説明文章
- 商品画像
- バリエーション
- メタディスクリプション
上記を確認した後は、商品をカテゴリごとに分類・整理することで、商品管理がしやすくなります。さらに、ユーザーが商品を探しやすくなるので、サイトの利便性が高まり売上アップにも繋げられ
ます。
サイトデザインを設定する
移行直後のサイトデザインはShopifyのデフォルトのデザインが採用されているため、自社に合ったデザインに変更しましょう。Shopifyでは、動画を挿入できるテーマやコード編集が不要なテーマなどさまざまなデザインが用意されています。
ドメインを設定する
Shopify移行時はドメインが「.myshopify.com」に設定されています。このドメインを使用するのであれば特別な対応は不要です。オリジナルドメインを使用する手順は以下のとおりです。
- ドメインが移管できるか確認する
- Shopifyにドメインを接続する
- 移管用のドメインを用意する
- Shopifyにドメインを移管する
すべてのドメインプロバイダーがドメイン移管をサポートしているわけではありません。ドメインを購入する前に、Shopifyに移管できるか確認しましょう。
配送の設定をする
サイトがリニューアルして配送料金が以前と異なっていたら、顧客は不安になります。顧客に余計なストレスを与えないためにも配送設定は重要です。特に気を付けなければならないのは以下の項目
です。
- 配送料金
- 配送地域
- パッケージの寸法
Shopifyでは配送について細かく設定できます。サイト移行時に忘れずに設定しましょう。
税率を設定する
商品を配送する国によって、税率は異なります。海外向けにECサイトを運営している方は現地の税率を確認した上で、正確に設定しましょう。正しく設定していないと、修正の手間や納税処理に時間がかかってしまいます。
決済方法を設定する
購入率アップにつながる重要な要素である決済サービスを設定しましょう。Shopifyで現在利用できる決済サービスは以下の通りです。
- Shopify ペイメント
- Apple Pay
- Google Pay
- Shop Pay
- PayPal
- Amazon Pay(アマゾンペイ)
- KOMOJU
- 携帯キャリア決済
- Paidy
- SBペイメントサービス(SBPS)
- NP後払い
- atone
- NP掛け払い
- GMOペイメントゲートウェイ
- Smartpay
- 後払い.com
Shopify ペイメントはShopify独自の決済サービスです。サービスの概要を以下に記載します。
対応ブランド |
Visa、Mastercard、American Express、JCB、Diners Club、Discover |
対応通貨 |
日本円等多通貨決済可能 |
決済手数料 |
国内発行のカード 3.25%〜3.4% 海外発行のカード / American Express 3.8%〜3.9% JCB / Diners Club / Discover 4.05%〜4.15% |
振込手数料: |
0円 |
初期費用 導入費用 |
0円 |
サービスによって手数料などが異なるので、比較検討して決済サービスを選択しましょう。
テスト注文をする
移行完了までもう少しです。次はテスト注文を行い、正常に処理できているかを確認しましょう。Shopifyのテスト注文機能を活用することで、顧客が商品を購入した際のプロセスを把握できます。特に、以下の3パターンを確認してください。
- 正常に処理できた注文と処理できなかった注文のテスト
- 注文のキャンセルと返金
- 正常に処理できた注文の履歴情報
注文や返金などを行った際に、顧客に送信されるメールを確認することも可能です。細部まで確認して間違いがないかチェックしましょう。
サイトのリニューアルを顧客に知らせる
次に、顧客にECサイトがリニューアルしたことを知らせましょう。顧客が多い場合はアプリを使うことで効率的に招待することが可能です。リニューアルは売上を伸ばす絶好の機会です。セールやキャンペーンを実施して盛り上げましょう。
URLリダイレクトの設定を行う
リダイレクトとは、サイトやページのURLが変更された際に、自動的に新しいページに転送する仕組みのこと。リダイレクト設定を行うことで、顧客が以前のサイトでブックマークしていたページにアクセスしてもつながらないといったことを防ぐことが可能です。
Shopifyへの移行における注意点
Shopifyに移行する際の注意点は以下の7つです。
- 引継ぎが出来ないデータもある
- 特定のプロトコルを削除しないと不具合が起こる場合がある
- 記事、ブログの移行に手間がかかる
- 複数アプリを入れると不具合が起きることがある
- 海外製のツールのため使いにくいと感じる場合もある
- 標準機能だけではやりたいことが実現できないかも
- 日本の商習慣に合わない部分がある
それぞれについて解説します。
引継ぎが出来ないデータもある
Shopifyに移行した際に、引継ぎが出来るデータと引き継ぎができないデータがあります。それぞれ以下のとおりです。
引継ぎできるデータ |
・商品情報 ・名前や住所などの顧客情報 ・注文履歴などの情報 ・ブログ記事などのコンテンツ |
引継ぎできないデータ |
・決済方法 ・サイトデザイン ・配送料金の設定 ・顧客のパスワード |
引継ぎできないデータについては、Shopifyの機能を使って再設定しましょう。
特定のプロトコルを削除しないと不具合が起こる場合がある
画像やテーマファイルなどのURLから「http:」や「https:」、「ftp:」といったプロトコル(データを送受信する規約)を削除しなければなりません。プロトコルを削除しないと不具合が発生する場合があるので、必ず削除しましょう。
記事、ブログの移行に手間がかかる
Shopifyの標準機能では、ブログや記事の移行ができません。移行するページ数が少なければ手作業で対応することも可能ですが、量が多ければ多いほど手間もかかるためおすすめとはいえません。ブログ記事の移行には、先ほど紹介したMatrixifyを使いましょう。
複数アプリを入れると不具合が起きることがある
複数のShopifyアプリを併用することで、アプリ同士が干渉してしまう場合があります。たとえば、クーポンアプリとポイントアプリを同時に利用できないケース。Shopify ではクーポンもポイントも同じものと認識されてしまうため併用できないのです。
Shopifyのアプリはプログラミングなどの専門知識がなくても使用できるものが多い一方、考えなしにたくさんのアプリを取り込むのは注意が必要です。移行前に必要な機能を洗い出し、Shopifyに実装できるか確認しておきましょう。
海外製のツールのため使いにくいと感じる場合もある
Shopifyはカナダ初のECプラットフォームなので、テーマやアプリなどは海外製のものが多く、日本製のものと比べて使いづらいと感じるケースがあります。具体例は以下のとおりです。
- テーマや通知メールなどの一部機能では翻訳が必要
- 英語フォントがメインなので、日本語フォントに変換すると行間などに違和感が生じる場合がある
- 問い合わせた場合、対応は海外で行われるため時差の影響で返答が遅い
とはいえ、170か国以上で利用されているECプラットフォームなので、ある程度の不具合には目をつむってもShopifyを使用するメリットは大きいでしょう。
標準機能だけではやりたいことが実現できないかも
ShopifyにはECサイトを運営する上で最低限の機能が搭載されています。しかし、ネットショピングの利用率が増え、ECサイトの数が増加する現代では、顧客のニーズに応えるためには不十分なのが現実です。たとえば、以下のような機能はShopifyに標準搭載されていません。
- ポイント機能
- 配送日時の指定
- お気に入り登録
- 会員自身で退会手続き
これらの機能を搭載する場合、アプリを実装してカスタマイズしていく必要があります。
日本の商習慣に合わない部分がある
Shopifyは代引き決済に対応していますが、チェックアウト画面には代引き手数料が表示されません。したがって、顧客には、別途手数料がかかることを案内しなければなりません。なお、エンタープライズ(大企業)向けプランであるShopify Plusなら手数料を表示することが可能です。
また、Shopify のCSVファイルは、日本版のExcelで開くと文字化けしたり、都道府県がJP-13(東京都の場合)のようにコードで表記されたりします。そのため、データを分析する際に、コードを都道府県に変換する作業が必要になるなどの手間がかかります。これらの課題はJapan Order CSVというアプリを使用すれば解決できるので、必要に応じて活用しましょう。
▼関連記事 Shopify Plusについては、「Shopify Plusと通常プランの違いとは?機能と料金を比較」を あわせてご覧ください。 |
Shopifyへの移行を検討すべきタイミング
次に、移行を検討するべきタイミングについて解説します。移行する絶好のタイミングは以下の4つです。当てはまるものがあれば、移行を検討しましょう。
- 事業が拡大してきたとき
- 既存のシステムが古くなってきたとき
- 連携しているシステムがリニューアルするとき
- 新たな取り組みをはじめたいとき
それぞれについて解説します。
事業が拡大してきたとき
ECサイトで取り扱う商品の数や注文数が増加してきたときは、ECプラットフォームの移行を検討しましょう。扱うデータ量が増えると、サーバーなどに負荷がかかり、既存のシステムで対応するのが難しくなる場合があるからです。サーバーに負荷がかかると、ページの読み込みが遅くなるなどの不具合が生じてしまい、顧客はストレスを感じてサイトから離脱してしまうかもしれません。売上を確保する機会を失ってしまう可能性があるのです。
事業の拡大とともに、不具合や不都合が発生していないか確認して、必要なタイミングでプラットフォームを移行しましょう。
既存のシステムが古くなってきたとき
ECサイトのシステムが古くなると、メンテナンスする機会も増え、コストも増加します。さらに、古いデザインのサイトでは、使いにくかったり、機能が制限されてしまったりする場合があります。そのため、現在運用しているECサイトの稼働年数やデザイン、維持にかかるコストなどを考慮し、移行を検討しましょう。
実際に既存のECサイトの老朽化を理由にShopifyへ移行するケースは多いのです。そのため、Shopifyでは移行専用のアプリなどが設けられていることに加えて、移行方法などをまとめたブログ記事などの参考材料もたくさんあります。
連携しているシステムがリニューアルするとき
企業の基幹システムとECサイトを連携させている場合、基幹システムをリニューアルするときがシステム移行を検討するタイミングです。基幹システムをリニューアルすれば、連携作業は必ず発生します。既存のECサイトと連携しようが、Shopiyと連携しようが工数はかかるなので、せっかくならECサイトもリニューアルするとよいでしょう。数か月または数年後にあらためて移行すると、無駄ともいえる時間や経費がかかってしまいます。
新たな取り組みをはじめたいとき
ECサイトで新たな取り組みを展開したい場合、既存のシステムでは対応が難しいのであれば、システムの移行を検討するタイミングです。昨今、サブスクリプション(定期購買)型の販売モデルを導入する企業が増えています。このような新しい企画を取り入れる際、既存システムでは対応が難しい場合や対応は可能でもコストや時間がかかる場合は、システムの移行を視野に入れましょう。
Shopifyに移行するメリット
次に、Shopifyに移行するメリットについて解説します。主なメリットは以下の3つです。
- カスタマイズ性能が高い
- 使いやすいデザインが簡単に作れる
- あらゆる規模のECに対応可能
それぞれについて解説します。
カスタマイズ性能が高い
Shopifyでは基幹システムだけでなく、CRM(顧客関係管理)やMA(マーケティング施策の自動化・効率化)などのツールも連携させることが可能です。また、Shopifyのアプリを使用することで、機能を簡単に拡張することも可能です。
具体的には、CRMツールを活用することで、発送通知をLINEやSMSで顧客に知らせたり、クーポンやポイントシステムで顧客満足度を高められます。また、MAツールを活用することで、値下げした際や在庫が少なくなった際に顧客に自動的にリマインドすることも可能です。
▼関連記事 Shopifyの機能や特徴については、「Shopifyとは?ECサイトの立ち上げに役立つ機能や特徴を解説」を あわせてご覧ください。 |
使いやすいデザインが簡単に作れる
Shopifyはデザインテンプレートが充実しており、プログラミングの知識がなくても魅力的なサイトを構築できます。さらに、プログラミングスキルがあれば、デザインテンプレートをカスタマイズできるので、オリジナルなサイトをつくることも可能です。
せっかく移行するなら、理想のサイトを追求したいものです。Shopifyでは、UI(ユーザーが触れるもの)やUX(ユーザーがサイトを通じて得られる体験)の面でも、顧客にとって魅力的なECサイトを構築できます。
▼関連記事 Shopifyのテーマについては、「Shopifyテーマ業種別おすすめ10選|特徴・使い方・選び方・ 日本語化の方法も解説!」をあわせてご覧ください。 |
あらゆる規模のECに対応可能
Shopifyは個人から大企業まで、あらゆる規模に対応した使い方ができます。カスタマイズ性能が高いので、カートシステムを変更することなく柔軟に対応できるのです。将来的に事業が拡大することを見据えたときに、ECサイトを移行する必要がないともいえます。
事業が拡大した際にも安心して使い続けられる理由は以下のとおりです。
- セキュリティが頑丈
- インフラが強固(サーバーは Shopify が管理しているので、自社サーバーが不要)
- 決済方法が豊富
- 大企業向けのプラン(Shopify Plus)がある
長期的視点に立っても、長く使い続けられる点がShopifyの最大のメリットといえます。
Shopifyへの移行について解説しました
数あるECプラットフォームからShopifyに移行しているケースは少なくありません。現在のECプラットフォームを使い続けるよりも、Shopifyに移行した方がよいと判断したなら積極的にShopifyに移行しましょう。その際は、本記事で紹介した手順に沿って移行作業を行い、魅力的なECサイトを構築することで売上アップを目指しましょう。
なお、ECサイト制作会社の探し方・選び方がわからない!という方はEC幹事にお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算に合った最適な会社を厳選してご紹介します。相談料・会社紹介料などは無料です。