EC物流倉庫とは?倉庫を外部委託するメリットや選ぶポイントも解説

EC物流倉庫とは?倉庫を外部委託するメリットや選ぶポイントも解説

EC物流倉庫を契約したいが、メリットや費用感を掴めていない事業者もいらっしゃるかと思います。そこで本記事では、EC物流倉庫を外部委託するメリットやデメリット、サービス業者の選び方まで詳しくお伝えします。

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目次
  1. 1. EC物流倉庫とは?
    1. 1-1. EC物流倉庫の種類
    2. 1-2. 委託の基準は「月間300件」を超えたら
  2. 2. EC物流倉庫の特徴
    1. 2-1. 1. ほとんどがtoC(消費者)への出荷
    2. 2-2. 2. 多品種・小ロットでの在庫管理
    3. 2-3. 3.  商品管理だけでなく加工に対応している場合も
  3. 3. 倉庫業務を外部委託するメリット
    1. 3-1. 1. 物流リソース削減によるコア業務への集中
    2. 3-2. 2. 物流品質が高まることでの顧客満足度の向上
    3. 3-3. 3. 急な注文増加にも対応できる
  4. 4. 倉庫業務を外部委託するデメリット
    1. 4-1. 1. 物流ノウハウが社内に蓄積されにくい
    2. 4-2. 2. 出荷数が少ないとコストが高くなる
  5. 5. EC物流倉庫を選ぶポイント
    1. 5-1. 1. 倉庫の立地
    2. 5-2. 2. 対応の品質やスピード
    3. 5-3. 3. 返品や交換対応の可否
    4. 5-4. 4. カスタマイズの可否
    5. 5-5. 5. 連携の取りやすさ
  6. 6. 物流倉庫委託の費用の相場
    1. 6-1. 固定費
    2. 6-2. 変動費
  7. 7. EC倉庫サービス業者
    1. 7-1. SBSロジコム
    2. 7-2. ウルロジ
    3. 7-3. フレイトリンクス
    4. 7-4. ロジスピ
    5. 7-5. スクロール360
  8. 8. 【まとめ】EC倉庫を選ぶ際は、一度見学に行くのがおすすめ

EC物流倉庫とは?

EC物流倉庫とは、ECにおける物流業務を行う倉庫業者です。EC運営には商品の開発から受注、在庫管理、出荷、配送、キャンペーン、カスタマーサービスなどさまざまな業務があります。このうち商品の在庫管理や出荷、配送に対応しているのがEC物流倉庫です。

EC物流倉庫の種類

EC物流倉庫には4つの種類があります。

  1. 販売主体型
  2. 業種特化型
  3. 倉庫サービス主体型
  4. システム会社との連携型

1. 販売主体型

販売主体型は、商品の出荷や配送だけでなく、受注から返品処理、カスタマーサービスまで幅広く対応しているEC物流倉庫です。あらゆる物流業務をワンストップで依頼できるため、高い費用対効果が期待できます。

2. 業種特化型

業種特化型は、特定の業種に強いEC物流倉庫です。たとえば食品系の場合、商品を適切な温度下で管理する設備が整っている。アパレルの場合、海外製品の入出荷や修繕まで対応しているといったEC物流倉庫を指します。

3. 倉庫サービス主体型

倉庫サービス主体型は、本来のEC物流倉庫のサービスが主体となったタイプです。メリットは、EC事業者のニーズにあわせて倉庫をカスタマイズできること。「プレゼント用に『のし』をつけたい」など要望にも柔軟に応えてくれます。

4. システム会社との連携型

システム会社との連携型は、EC物流倉庫が物流システムの会社と連携しているタイプです。EC事業者は物流システム会社を経由して、自社に合った倉庫を契約することになります。

委託の基準は「月間300件」を超えたら

月間出庫数が「300件」を超えたら、EC物流倉庫に業務を委託するのがおすすめです。300件以内であれば、自前でも全ての物流業務を捌けるでしょう。ただし300件を超えると、梱包作業や配送業務も手詰まりになるかと思います。元より、受注数が増えればそれだけ在庫も増やす必要があるため、物理的にオフィスに商品を置くことが難しくなるでしょう。

EC物流倉庫の特徴

EC物流倉庫の特徴

EC物流倉庫の特徴として、次の3つがあげられます。

1. ほとんどがtoC(消費者)への出荷

EC物流倉庫の多くは、BtoC(企業から消費者)への出荷が占めています。理由は単純で、ECサイトの利用層のほとんどが一般消費者だからです。そのためEC物流倉庫も「BtoC向け」ものが多くなるのです。

もちろん BtoB向けのEC物流倉庫もあります。物流倉庫を探す際などは、どちらに対応しているか確認しておきましょう。

2. 多品種・小ロットでの在庫管理

前述のように、EC物流倉庫のほとんどはBtoC向けです。物流拠点から一般消費者の自宅にばらばらに商品を配送するため、多品種・小ロットで出荷する傾向にあります。

一方で、多くの商品を保管・管理するため、商品の紛失や誤出荷がないよう徹底管理しなければなりません。商品管理が徹底されることで、指定日時通りの配送も可能となります

3.  商品管理だけでなく加工に対応している場合も

​​EC物流倉庫によっては、商品管理だけでなく流通加工に対応している場合も。流通加工とは、商品が消費者に届くまでの加工プロセスを指します。

たとえば、ギフトラッピングやメッセージカードの同梱などです。流通加工への対応は、顧客満足度向上にもつながります。

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倉庫業務を外部委託するメリット

倉庫業務を外部委託するメリット

EC物流倉庫に業務を委託するメリットとして、以下の3つがあります。

1. 物流リソース削減によるコア業務への集中

EC物流倉庫を頼れば、在庫管理や配送、カスタマーサービスなど手間のかかる業務が外注可能に。自社のリソースが大幅に削減されることで、コア業務に集中できるようになります。

ECサイトの売上が伸びるほど倉庫業務は増え、時間が取られてしまいます。本来やるべき業務にコミットするためにも外部委託はおすすめです。

2. 物流品質が高まることでの顧客満足度の向上

EC物流倉庫業者は、「物流」に特化しているためノウハウも豊富です。スピーディーな配送や丁寧な流通加工など物流品質が高く、顧客満足度を高めるノウハウを多数持っています。

誤出荷や欠品によってお客様からの信頼を失ってしまうリスクを避けたいなら、物流や商品管理のプロである業者に依頼した方がよいでしょう。

3. 急な注文増加にも対応できる

EC物流倉庫業者は、キャンペーンやセールなどによる急な注文増加にも対応できます。自社対応の場合すぐに人員を確保するのは難しく、商品の販売制限をかけなければならない場合もあります。

業者に委託すれば、機会損失を防げる上に大量の受注が来てもスムーズに対応してくれます。

倉庫業務を外部委託するデメリット

倉庫業務を外部委託するデメリット

倉庫業務を外部委託するデメリットとして、次の2つがあげられます。

1. 物流ノウハウが社内に蓄積されにくい

倉庫業務を全て外部委託すると、自社のリソースは大幅に削減できます。ただし、先方に丸投げするため自社に物流ノウハウが蓄積されません

将来的に自社で倉庫業務を行おうと思ったとき、ノウハウがなければ、またゼロから業務を覚えなくてはなりません。

2. 出荷数が少ないとコストが高くなる

依頼する業者によって費用は異なりますが、商品の出荷数が少ないと費用対効果に見合わない場合があります

外部委託する際は、あらかじめ見積もりを依頼することが大切です。まずは見積もりを出して、売上とコストが見合うかどうかを判断しましょう。

EC物流倉庫を選ぶポイント

EC物流倉庫を選ぶポイント

EC物流倉庫を選ぶポイントとして、次の5つがあります。

1. 倉庫の立地

物流倉庫の立地は、配送時間や配送コストに大きく関わります。

たとえば、物流倉庫と商品の仕入れ先が近かった場合、商品を仕入れるまでの時間や配送時間をカットできます。物流倉庫と消費者が住んでいるエリアが近い場合は、出荷のタイミングをコントロールしやすくなるでしょう。

どこに倉庫があるかで業務の進み具合が変わるので、自社にとってベストな立地を選びましょう

2. 対応の品質やスピード

BtoCのECサービスにおいて、物流品質や配送スピードはとても重要です。

誤発送や欠品、配達の大幅な遅れなどがあった場合、消費者からの信頼を失い、顧客離れを引き起こす可能性もあります。

そのため、定期的に物流品質のチェックを行っている業者や、実績のある業者を選びましょう

3. 返品や交換対応の可否

業者側で返品や交換対応を行ってくれるかも重要です。ECショップは実店舗と違って、商品を直接見ることができません。

そのため、届いたものが想像と違った、サイズが合わなかったなどで返品を希望する消費者も。返品や交換がスムーズに行われれば、顧客満足度を下げずに済み、次回リピートにつながる可能性があります。

4. カスタマイズの可否

ECショップで購入した商品を、自分用ではなく「ギフト」として家族や友人に送る消費者も多いです。その際、商品のラッピングサービスがあれば、倉庫側でラッピング作業を行い、消費者に直接配送できます。

ラッピングのみならず、メッセージカードの同梱やセット組など、カスタマイズ性に優れていると尚よいでしょう。

5. 連携の取りやすさ

倉庫側との連携の取りやすさも重要です。物流の全フローを任せる場合、依頼者と業者で意思疎通が図れていないとミスにつながります。

たとえば食品を扱う場合、消費期限や衛生管理、保管状況など気をつけなければならない点がたくさんあります。その際にうまく連携が取れていないと、倉庫側が誤った理解をしてしまい、誤った方法で業務を行ってしまう可能性もあるでしょう。

致命的なトラブルを起こさないよう、常に連絡を取れる状況なのか確認しておくことが大切です。

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物流倉庫委託の費用の相場

EC物流倉庫サービスを利用する際は、委託費用が発生します。ただ、サービス業者によって変動が大きいため、相場を断定するのは難しいです。費用は「固定費」と「変動費」に分類できます。参考のために、固定費と変動費の内訳をお伝えします。

固定費

固定費として主に発生するのは以下の3つです。

費用名

内容

倉庫保管料

在庫を置くためのテナント料

4,000〜7,000円/1坪

物流システムの利用料

出荷や在庫管理、配送など物流業務全般に発生する費用

30,000〜80,000円/月

業務管理料

商品を管理するために必要な費用。破損防止やセキュリティ強化にかかる費用など

10,000〜100,000円/月

変動費

変動費として発生する費用は以下の通りです。

費用名

内容

入庫料

商品をテナントに入庫する際に発生する費用

10〜30円/1個あたり

検品・ピッキング・出荷料

商品の状態チェックや数量、同梱作業などにかかる費用

10〜100円/1個あたり

梱包資材料

配送にあたっての梱包作業にかかる費用

150〜300円/ダンボール1個あたり

配送料

配送にかかる費用

数百円〜数千円/配送エリアによって変動

EC倉庫サービス業者

続いて、EC物流倉庫サービスを展開する業者をご紹介します。

SBSロジコム

SBSロジコム

画像引用:SBSロジコム

SBSロジコムは、物流センターや倉庫サービスなど、物流事業を幅広く展開するSNBホールディングスが運営する会社です。同社ではEC物流倉庫サービスも提供。商品の入荷から在庫管理、流通加工、梱包、配送などEC物流全般に対応しています。

その他にもEC商品の販売用サイトの作成、商品の撮影や説明文の原稿執筆など細かい部分もカバー。ECショップに必要なあらゆる作業を依頼可能です。

ウルロジ

ウルロジ

画像引用:ウルロジ

ウルロジは、ディーエムソリューションズ株式会社が運営するEC物流倉庫サービスです。東京都内に大きなEC倉庫を保有しており、都内を拠点に入荷や配送までスピーディーな対応を行います

また、同サービスでは「WMS」と呼ばれる倉庫管理システムを運営。ショップによる商品の出荷指示や出荷実績、在庫確認などを全てオンライン上で行うことができます。

フレイトリンクス

フレイトリンクス

画像引用:フレイトリンクス

フレイトリンクスは、株式会社フレイトリンクスジャパンが運営するEC物流倉庫サービスです。大阪市に本社を構えており、貝塚市に3つの倉庫を保有。1500坪以上の旗艦倉庫も運営しています。

また、同社は「誤出荷ゼロ・欠品ゼロ」を掲げており、実現のためにピースアソートメントシステム」という独自のシステムを構築・運営。ショップ側も安心して依頼できるでしょう。

ロジスピ

ロジスピ

画像引用:ロジスピ

ロジスピは、株式会社ウィズリンクスが運営するEC物流倉庫サービスです。個人・中小企業向けのサービスで、入荷や配送はもちろん、流通加工、セット組、同梱、返品対応まで幅広い物流業務をカバー

固定費ゼロ・出荷1件から利用できるなど、小規模なECショップには嬉しいサービスが充実してい
ます。

スクロール360

スクロール360

画像引用:スクロール360

スクロール360は、株式会社スクロール360が運営するEC物流倉庫サービスです。ECサイト誕生以前から「通販」関連事業に注力してきた同社。

対応範囲は幅広く、物流代行や発送代行はもちろん、リピート促進に特化したサービスや、商品受注に特化したコールセンターサービスなど多種多様です。EC全般の運営支援も行っています。

【まとめ】EC倉庫を選ぶ際は、一度見学に行くのがおすすめ

EC物流倉庫はBtoC向けのものが多く、あらゆる物流業務を担ってくれることから、外部委託する事業者も多いです。ただし、業者によって立地や物流品質、サービス内容は異なるため、一度見学に行くことをおすすめします。

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