Amazonの小口出品と大口出品はどちらがおすすめ?それぞれの違いや、手続きの手順をわかりやすく解説!
Amazonの小口出品を検討しているものの、大口出品との違いが分からずお困りではないでしょうか。本記事では、Amazonの小口出品のやり方や大口出品との違い、Amazon出品のポイントや注意点まで解説します。
この記事を読めば、大口出品と小口出品の違いが分かり、具体的な手続きのやり方も分かりますので、ぜひ参考にしてください。
大口出品と小口出品の違い
Amazonで出品する際には、大口出品と小口出品のどちらかを選ぶ必要があります。
具体的な違いは以下の通りです。
小口出品 |
大口出品 |
|
料金 |
100円/1商品 +販売手数料 |
4,900円/月 +販売手数料 |
利用できる機能 |
・フルフィルメント |
・フルフィルメント ・Amazonのカタログに新商品追加 ・一括出品 ・フィードやレポートを使った在庫管理 ・検索結果の上位表示 ・商品詳細ページへの商品掲載 ・APIとの連携 ・独自の配送料設定 ・広告ツール ・無料配送などのプロモーション ・ショッピングカート ・プライムマークの付与 ・複数のユーザー追加 |
それぞれの違いについて、次で解説します。
小口出品
小口出品とは販売する際、1商品あたりに100円と販売手数料がかかる出品方法です。販売手数料は、商品1つあたりにかかり、合計売上に一定の割合をかけたもの、または最低金額のいずれか高い方が適用されます。
出品手数料とは販売カテゴリごとに設定され、例えば、本であれば手数料は15%です。
大口出品
大口出品は、月額4,900円と販売手数料がかかる出品方法です。毎月一定額の料金がかかりますが、小口プランと比較すると、できることが多く、商品の登録や販売がしやすくなっていることが特徴です。
大口出品と小口出品のメリットとデメリット
大口出品と小口出品、それぞれにどのようなメリットとデメリットがあるか、解説します。
小口出品のメリット
月額料金がかからない
小口出品の場合、月額料金がかからないことが特徴です。1つの商品に対して100円かかりますが、商品の販売数が49個以下であれば、小口出品の方が利用料を抑えられます。
そのため、はじめて出品する場合、Amazonでの販売を試してみたい場合におすすめです。
小口出品のデメリット
利用できる機能が少ない
小口出品では利用できる機能が少なく、フルフィルメント以外のサービスは利用できません。(※フルフィルメント:Amazonの倉庫に商品を送付することで、倉庫への保管から、商品の梱包、顧客への発送まで自動で対応してくれるサービス)
大口出品の場合は上記の機能に加え、多くの機能が利用できます。作業効率や売上効率に少なからず影響するため、49個以上の商品売り上げを予定している場合は、大口出品がおすすめです。
大口出品のメリット
大口出品のメリットは以下の通りです。
- 商品ごとの利用料がかからない
- 商品登録を効率的にできる
- レポートを活用できる
- カートボックスの獲得がしやすい
- Amazonにない商品も販売できる
- 配送料を決められる
- プライムマークがつけられる
- 広告サービスがつけられる
- 決済方法が増える
それぞれについて、次で解説します。
商品ごとの利用料がかからない
小口出品の場合、商品が1つ販売されるごとに、販売手数料に加え、100円の利用料がかかりますが、大口出品の場合は販売手数料以外かかりません。
その代わりに月額料金がかかりますが、49個以上販売する場合は、大口出品の方が利用料を抑えられます。
商品登録を効率的にできる
大口出品は在庫ファイルを利用した商品登録の一括登録が可能です。小口出品の場合は、1つ1つの商品で、商品概要を手入力する必要があります。
大口出品の場合は在庫ファイルを利用することで、基本的な情報を自動入力させることが可能です。商品数が少ないうちはそれほど関係ないものの、商品数が多いほど、商品登録の作業効率が高まり
ます。
レポートを活用できる
大口出品の場合は、ビジネスレポートで以下の情報などを収集できます。
- 過去2年分の日別/商品別の売上データ
- 時間帯のトレンド
- 商品ページの閲覧回数は高いが購入転換率の低い商品
- ショッピングカートボックスの獲得率が低い商品
このような情報を集めることで、商品ページの改善や商品の見直しができ、マーケティング施策の改善がしやすくなります。
カートボックスの獲得がしやすい
カートボックスとは、Amazonの商品ページで表示される「カートに入れる」というボタンのことです。複数の店舗が同じ商品を出している場合、このボタンを顧客がクリックすると、どこか1社のものが選ばれます。
小口出品の場合は、カートボックスの対象外となり、販売機会が限られてしまいます。
Amazonにない商品も販売できる
小口出品の場合、カタログに存在しない商品は出品できません。分かりやすい例としては、自社のオリジナル商品などが挙げられます。
大口出品の場合は、自社で新しく商品カタログのページを追加可能です。
配送料を決められる
大口出品の場合は、配送料を自社で決められるため、商品の大きさに合わせた料金の変更やクール便の設定など柔軟な設定が可能です。
小口出品の場合は、商品の詳細に関わらず、Amazonで設定している配送料金が適応され、金額の変更はできません。
そのため、大口出品であれば、配送料金を最適化できます。
プライムマークがつけられる
プライムマークとは、Amazonの商品ページで表示される以下のマークです。
画像引用:Amazon
プライムマークがあることで以下のメリットがあります。
- 検索結果の上位表示がされやすくなる
- 顧客が配送料無料やお急ぎ便を利用できる
以上のことから、Amazonでの販売機会を増やせることがメリットです。
ただし、FBAを利用しない場合、プライムマークを表示させるには一定水準以上の配送品質が求められます。
広告サービスがつけられる
大口出品を利用すると、「Amazonスポンサープロダクト」と呼ばれるサービスが利用可能です。スポンサープロダクトの広告費を支払うことで、検索画面の上位に表示させられます。
通常の検索結果よりも先に画面上に表示させられるため、販売機会を増やす方法として効果的です。広告料はクリック課金制となっており、1日の上限額を決めて運用できるため、無理のない運用ができます。
決済方法が増える
大口出品の場合、以下の決済方法が利用できます。
- クレジットカード
- コンビニ・ATM・ネットバンキング・電子マネー払い
- 代金引換
しかし、小口出品でかつFBAを利用していない場合、代金引換・コンビニ決済は利用できません。
大口出品のデメリット
大口出品のデメリットについて解説します。
月間利用料がかかる
大口出品の場合、月間で利用料が4,900円かかることがデメリットです。小口出品の場合、1商品あたり100円の利用料がかかるため、1ヶ月の販売数が49個以下の場合は、小口出品の方が利用料を抑えられます。
小口出品と大口出品はどちらがおすすめ?
小口出品と大口出品はどちらを選ぶべきなのか、いくつか例をあげて紹介します。
小口出品がおすすめの場合
小口出品がおすすめの場合は以下の通り。
- 販売数の見込みが49個以下の場合
- カタログにある商品のみ販売する場合
- 初めてAmazonで販売する場合
小口出品は出品数が少なく、特定の商品しか販売しない場合におすすめです。ただし、販売数49個以下で継続的に利益を出すことは困難でしょう。
そのため、初めてAmazonを利用するため、出品手順を知りたい場合や、市場の様子を調べたい場合以外であれば、小口出品はそれほどおすすめできません。
大口出品がおすすめの場合
大口出品がおすすめの場合は以下の通り。
- 販売商品数が50以上の場合
- 定期的に商品登録が必要な場合
- 自社商品の販売がしたい場合
- 発送料金を自社で決めたい場合
- 本格的にAmazonでビジネスを展開したい場合
一定以上の販売数を予定し、自社商品の取り扱いが必要な場合、発送料金を設定したい場合は、大口出品の方がおすすめです。
ある程度本腰を入れてビジネスを展開すれば、49個以上の販売数は難しい数字ではありません。本格的にビジネスを展開する場合は、大口出品を選択した方がよいでしょう。
Amazonで小口出品するまでの流れ
それぞれについて次で解説します。
出品用アカウントの登録
Amazonで出品するための出品用アカウントはこちらから登録できます。
出品アカウントの申請では以下の情報や書類が必要です。
- 顔写真入りの身分証明書(例:免許証)
- 各種取引の証明書(例:クレジットカードの利用明細書)
- メールアドレス
- 電話番号
- 銀行口座
申請後、審査が始まり、問題がなければ、3日前後を目安に登録が完了します。
出品者プロフィールの登録
出品者プロフィールの登録では特定商取引法に基づいた表示や、支払い情報の設定、配送・返品の設定もあわせて行います。
特定商取引法に基づいた表示として入力する内容は以下の通り。
- 販売事業者名
- 問い合わせ電話番号
- 住所
- 運営責任者
- 店舗名
- 許認可情報
これらの情報は、正確に記載が必要です。詳細な要件はこちらからご確認ください。
参考:Amazon|特定商取引法(特商法)及びその他の法令に基づく表示
入力内容に間違いや虚偽の内容が含まれる場合、アカウント停止になるリスクがあります。
支払い情報の設定は以下の情報を入力しましょう。
- 売り上げを受け取る銀行口座
- 月額費用や広告費を支払うクレジットカード情報
- 顧客が選択できるクレジットカード情報
配送・返品の設定では以下の項目を設定します。
- 返送先の住所
- 配送設定(FBAを利用する場合は不要)
- 商品別のお届け日時の設定
商品登録
オリジナル商品の場合は商品名やJANコード、商品説明など、必要情報を入力し、Amazonに申請します。
オリジナル商品以外の場合は、型番や商品名、JANコードから商品を検索し、登録します。詳細な情報入力は必要ありません。
商品の発送
商品の発送方法は以下の2つです。
- 自社で発送する
- FBAを利用する
自社で発送する場合は、以下の手順で発送します。
- 注文確定メールを送付する
- 納品書を準備する
- 梱包する
- 発送完了後「出荷通知」ボタンを押す
FBAは受注、梱包、発送、カスタマーサポート、返品対応まで代行してくれるサービスです。Amazonフルフィルメントセンターに商品を納品したらその後の作業をお任せできます。
アカウントの運用
売上を上げるために、アカウントの運用ですべきことは様々ですが、以下のものが例として挙げられます。
- データの分析
- カスタマーレビューの収集
- 広告の運用・管理
- プロモーションの展開
- 商品数を増やす
必要なことは様々ですが、自社の経営状況にあわせて、PDCAサイクルを回すことが大切です。
出品にかかる費用
出品に関わる費用は、様々ですが、主なものをまとめると以下の通りです。
月額登録料 (大口出品の場合) |
・月額4,900円 |
販売手数料 |
・1商品ごとにかかる。商品カテゴリや配送方法によって決められた割合 (6〜45%) |
配送料 |
小口出品の場合 ・商品によって規定された配送料(重量や大きさによって変わる) 208円〜 大口出品の場合 ・商品にあわせて設定可能 |
FBA手数料 (利用する場合) |
・在庫保管手数料 ・長期在庫保管手数料 ・FBAの返送/所有権の放棄手数料 ・購入者返品手数料 ・納品不備受領作業手数料 |
Amazonでの出品を成功させるポイント
適切な価格を決める
Amazonでは、価格決めが売上に大きく影響します。Amazonでは後ほど紹介するカートボックスの獲得などの問題があり、他の競合よりも安い値段を設定することが非常に重要です。最安値は常に変動しており、トレンドや時期の影響も大きくなります。
しかし、いたずらに価格を安くしても、利益が出しにくくなるため、注意が必要です。価格の値動きには細心の注意を払いましょう。
早めに大口出品に移行する
小口出品は制約が多く、本格的に売り上げを上げることが目的であれば、大口出品に移行しま
しょう。
売上が49個以上になる場合は、大口出品の方がコストを抑えられる上、利用できる機能にも制限がなくなります。
広告を活用する
Amazonでは以下の方法で、商品の露出を高められます。
- スポンサープロダクト
- スポンサーブランド広告
- Amazonストア
スポンサーブランド広告は、カスタムできる見出し、動画、画像を使用して、より大きな広告で顧客にアプローチできる手法です。
Amazonストアとは、Amazonにブランド登録している場合に利用できるブランド用のショッピングページです。ブランドイメージなどを伝えるページが作成できます。
必要に応じてこれらの広告を活用することで、売上アップに効果的です。
世界に展開する
Amazonではグローバルセリングを利用して、簡単に海外市場にビジネスを展開できます。日本貿易振興機構(JETRO)とAmazonによる「JAPAN STORE」があり、全世界1億5,000万人へのアプローチが可能です。
Amazonを利用することで、実際に店舗を出すよりも簡単に海外ビジネスを展開できます。
カートボックスを獲得する
カートボックスを獲得できれば、商品の販売頻度を高められます。カートボックスを獲得できていない場合、商品を購入してもらうためには、「カートに入れる」以外の方法で選んでもらわなければいけません。
その手順は複雑で顧客がそのような方法を選ぶメリットも少ないため、カートボックスが獲得できなければ、成功は難しいでしょう。
カートボックスを獲得する条件は以下の通りです。
- 大口出品を利用している
- 最安値(他の出品者と比較)
- 出品の実績と評価
- 配送プラン(FBAが優遇される)
- 在庫数
これらの条件を満たせるよう、心がけましょう。
オリジナル商品をつくる
オリジナル商品を作ることで、価格競争に巻き込まれず、売上を上げやすくなります。Amazonでの出品は競合他社が多く、値段が安いほど購入されやすいため、競合他社が多い商品ほど、売上を挙げにくくなりがちです。
完全オリジナルの商品でなくても、メーカーに自社ブランド製品の製造を依頼するOEMのような方法を使うことで、オリジナル商品は作成可能です。
オリジナル商品の販売が軌道に乗れば、安定した売上が期待できます。ただし、商品力がなければ販売は難しいため、注意しましょう。
Amazon出品の注意点
それぞれについて、解説します。
出品制限がかかる
Amazonでは偽物や悪質な商品販売のリスクを回避するため、商品カテゴリによって出品制限が課せられる場合があります。出品者によって変わりますが、Amazonでは制限基準を公開していません。
出品制限を解除するには、出品許可申請が必要です。解除したい商品のページにアクセスし、「出品許可申請」をクリックすれば、申請できます。ただし、商品によってはメーカーや卸業者が発行した請求書が必要です。
申請が通らない場合は、販売実績を積むことで申請が通る可能性が高まります。
出品禁止商品を出品しない
出品禁止商品は法律や規制があるものや、Amazonのポリシーに反するものなどが該当します。具体的には、以下のカテゴリの商品の一部などです。
- 酒類
- 動物や動物を材料とする製品
- 医薬品
- 通貨
- 武器
- アダルト商品
- 不快感を与える商品
詳細な要件は以下から確認できます。
これらの商品を取り扱う際には、要件を確認し、違反しないことを確認してから販売しましょう。
Amazon以外の出店方法も検討する
Amazonは市場規模が大きく、利用しやすいサイトですが、Amazon以外にもネット上で販売する方法はあります。例えば以下のような方法です。
- 楽天など、Amazon以外のECモールを利用する
- 自社のECサイトを構築する
以上のような方法について、検討してみることで、より適切な販売手法を見つけられるかもしれま
せん。
Amazonの小口出品についてメリットややり方を解説しました
本記事では、Amazonの小口出品についてメリットややり方を解説しました。Amazonの小口出品は利用料が安く簡単に始められます。
しかし、販売規模が大きくなると、機能面で不便になり、手数料も高額になるため、ある程度の売上を上げた段階で大口出品への以降がおすすめです。