楽天ECサイトのメリットは?ショップの始め方や費用について解説
ECサイトの開設で楽天市場を検討しているものの、ショップの特徴や始め方がわからない方もいらっしゃるかと思います。楽天市場は、名実ともに国内トップクラスのECモールです。本記事では楽天市場でECサイトを開設するメリットやデメリット、出店方法、出店費用などを詳しく解説します。
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楽天市場の特徴
数あるECモールの中でも、トップを独走しているのが楽天市場です。2020年時点でのEC流通総額は約4.5兆円で、AmazonやYahoo!ショッピングなど他のECモールに大差を付けています。
楽天市場以外にもさまざまなサービスを運営している楽天。「楽天経済圏」といわれるように、多方面から楽天ユーザーを取り込むなど強い集客力があります。
楽天市場の大きな特徴として、以下の3つがあげられます。
1. 選べるプラン
楽天市場で出店する際は、3つのプランから選択可能です。初心者向けの「がんばれ!プラン」、月商140万円以上向けの「スタンダードプラン」、大規模ショップ向けの「メガショッププラン」の3つ。出店者の規模や予算にあわせて柔軟にプランを選択できます。詳しい費用については後半で解説します。
2. 他社よりも出店コストが高い
他社よりも出店コストが高いのが難点です。楽天市場では、初期費用や月額料金、システム利用料などが発生します。最安プランを選択したとしても、売上に比例して費用が大きくなります。もちろんサービスは充実していますが、コスト面では出店者に優しいとは言い切れません。
3. 誰でも出店できるわけではない
楽天市場は、日本国内のECモールであり、それだけ顧客からの信頼も厚く、サービスも充実しています。しかし、それを維持するためには、ショップにも一定のクオリティが必要です。
出店審査は他社よりも厳しいといわれています。たとえば、楽天では「個人の副業としての出店」は認められていません。楽天側から信用できるショップだと認められる必要があります。
楽天市場でECを行うメリット
楽天市場にEC出店することには多くのメリットがあります。たとえば以下の7つです。
1. たくさんの楽天利用者にアプローチできる
最大のメリットといえるのが、圧倒的な集客力です。2021年度における楽天IDの登録者は1億を超えています。楽天市場を使っていなくても、楽天モバイルや楽天ブックス、楽天証券など他のサービスを利用しているユーザーにアプローチできるのです。商品が認知されれば購入可能性も大きく上がるでしょう。
2. イベントやキャンペーンが充実している
購入経験者なら分かるかと思いますが、楽天市場にはイベントやキャンペーンが充実しています。たとえば、「毎月0と5のつく日はポイント5倍」など。ユーザーの購買促進につながるようなキャンペーンが毎週のように開催されています。
参加するかどうかは出店者次第ですが、キャンペーンに乗っかることで店舗の飛躍的な売上アップが期待できるでしょう。
3. 店舗運営支援サービスが揃っている
楽天市場に出店した場合、さまざまな店舗運営支援サービスを受けることができます。たとえば以下のようなサービスです。
- 専任のコンサルタントがEC運営をサポート
- ネットショップの知見を学べる「楽天大学」の提供(一部有料)
- 実際に成功しているECサイトによるノウハウの伝授(有料)
EC運営に関するあらゆる不安や悩みを、楽天市場内で解消できます。予算に余裕のある場合は、有料サービスを契約するのもおすすめです。
4. 楽天ポイントによる集客
楽天には、「楽天ポイント」という独自のポイント制度があります。楽天市場での買い物をはじめ、楽天の各種サービスを利用した場合に付与されるポイントです。
特に楽天市場でのポイント付与率は高く、キャンペーン時に買い物をすればポイント10倍以上になる場合も。出店者側も積極的にキャンペーンを利用することで、楽天市場での集客が狙えます。
5. アフィリエイトによる集客
楽天市場に出店することで、第三者によるアフィリエイト紹介が期待できるメリットも。
実際、楽天市場の商品を自分のWebサイトやブログに載せるアフィリエイターは多いです。もし彼らのメディアで自社商品が紹介されれば、直接購買に繋がったり、ショップへのアクセスに繋がったりします。第三者に紹介してもらえれば、出店者側はほとんど労力がかからずに、商品・サイトの認知拡大が期待できるのです。
6. 物流アウトソーシングで、物流の悩みを解消できる
楽天市場には、「楽天スーパーロジスティクス」と呼ばれる物流アウトソーシングサービスも。楽天がECサイト(店舗)にかわって、商品の入荷や保管、配送までをワンストップで請け負います。
手間と労力のかかる物流業務をアウトソーシングすれば、店舗はコア業務に集中できる上に、365日24時間対応なので顧客満足度向上にもつながるでしょう。
7. 信頼性が高い
多種多様なECモールやネットショップがある中で、信頼性はとても重要です。「そのショップは信頼できるものか?」と疑問に思うユーザーは多く、運営元がどこなのかを気にしています。
楽天市場では、ユーザーに安心して購入してもらうための対策を実施。商品が模造品でないかチェックする模造品対策や、出店違反をした店舗の契約解除など、さまざまな対策を講じています。信頼性の高いECモールなので安定した集客が狙えるでしょう。
楽天市場でECを行うデメリット
楽天市場でECを行うデメリットとして、以下の2つがあげられます。
1. 出店料が高い
楽天市場の難点として、出店料が高いことがあげられます。初期費用から月額費用、システム利用料など複数の費用が発生。システム利用料に関しては、月間売上に応じて上がっていく仕組みです。
たとえば、初心者向けの「がんばれ!プラン」の場合、手数料は月間売上の4.0~7.0%。100万円売り上げた場合7万円は手数料となるため、手元に残るお金は少なくなってしまいます。
2. プロモーションに制限がある
もう1つのデメリットとしてあげられるのが、プロモーションに制限があること。楽天は信頼性の高いECモールなので、出店者とユーザー双方が安心して利用できる体制が構築されています。
たとえば、店舗側はユーザーのメールアドレスをダウンロードできません。これは個人情報の漏洩を徹底的に防ぐため。万が一店舗側がユーザーのメールアドレスを漏洩させてしまった場合、楽天全体の問題につながります。
このように、利用に規制があることでプロモーションに不自由を感じることもあるでしょう。
楽天市場でのECサイトの始め方
続いて、楽天市場でECサイトを始める方法をお伝えします。
1. 公式サイトから出店申し込みを行う
まず、楽天市場の出店公式ページに入り、「出店申し込み」ボタンをクリック。出店に関する資料が送付された後、担当者との打ち合わせを行い、出店の決定、方針を決めます。同時に会社や運営者などの基本情報書類も提出します。
2. RMSアカウントが開設される
基本情報書類の審査に通過後、RMSアカウントが開設されます。RMSアカウントとは、楽天市場独自の店舗運営システムのこと。1の手続きから2~4週間程度でRMSアカウントを利用できるようになります。
3. ショップづくりを進める
RMSアカウントが開設されたら、いよいよショップづくりです。店の看板であるショップページ作成や決済や配送の設定など、開店準備を整えましょう。準備が整ったら、再度楽天側に「オープン審査」を申し込みます。
4. 開店前審査後、運用スタート
オープン審査に通過すれば、いよいよショップの運用スタートです。RMSシステムを使って試行錯誤しながら、理想のショップを作り上げましょう。
楽天市場への出店・運用費用
楽天市場は出店料が高いとお伝えしましたが、実際はどのくらいの費用がかかるのか、ここで詳しく解説します。
初期費用・月額出店料・システム利用料が発生
楽天市場へ出店する際は、主に初期費用、月額出店料、システム利用料の3つの料金が発生します。プランは「がんばれ!プラン」「スタンダードプラン」「メガショッププラン」から選択可能です。
プラン名 |
がんばれ!プラン |
スタンダードプラン |
メガショッププラン |
初期費用 (初回のみ) |
60,000円 |
60,000円 |
60,000円 |
月額出店料 (税別) |
19,500円/月 年間一括払 |
50,000円/月 半年ごとの2回分割払 |
100,000円/月 半年ごとの2回分割払 |
システム利用料 |
月間売上高の 3.5~7.0% |
月間売上高の 2.0~4.5% |
月間売上高の 2.0~4.5% |
登録可能商品数 |
5,000商品 |
20,000商品 |
無制限 |
画像容量 |
500MBまで |
5GBまで |
無制限 |
おすすめの人 |
コストを抑えて出店したい |
月商140万円以上の売上がある |
容量を気にせず 大量の商品を販売したい |
初期費用は全プラン60,000円で、プランごとに月額出店料とシステム利用料が異なります。ECサイトの規模や目的に応じて適切なプランを選びましょう。
R-Messeの利用料も必須
楽天市場へ出店する際は、全店舗「R-Messe」の登録が必要です。R-Messeとは、楽天市場内でショップとユーザーがコミュニケーションを取れるツールのこと。いわば問い合わせ機能のことです。利用料は、がんばれ!プランが月額3,000円、スタンダードプランとメガショッププランが月額5,000円となります。
楽天市場でEC運営を成功させるポイント
楽天市場でEC運営を成功させるためにも、次の2つを押さえておきましょう。
1. 興味を引くページデザインにする
ネットショップでは、ページデザインがとても重要です。ユーザーにとって見やすく、興味の引くデザインに仕上げましょう。以下を意識してみてください。
- わかりやすい位置に購入ボタンを設置する
- ページをスマートフォン対応にする
- 情報を詰め込みすぎない
- 文字よりも写真や画像で訴求する
商品を売りたいあまり説明文が冗長にならないように注意しましょう。文字が多くなりすぎるとユーザーの離脱を招いてしまいます。また、スマホユーザーがほとんどなので、スマホ画面に最適化されたページデザインにしましょう。
2. SEO対策で顧客の幅を広げる
商品ページのSEO対策も重要です。楽天市場には独自の検索アルゴリズムが採用されており、商品名や説明文などの内容によって検索結果に影響が出ます。
楽天市場内の検索結果に表示されないと、そもそもユーザーに認知すらしてもらえません。検索で上位表示されるためにも、商品名や説明文などにキーワードを盛り込みましょう。上位表示によって認知が拡大すれば顧客の幅も広がり、売上アップにつながります。
楽天市場のECサイトデザイン例
続いて、楽天市場のECサイトデザイン例をいくつかご紹介します。
よなよなの里 エールビール醸造所
よなよなの里 エールビール醸造所は、長野県軽井沢市のビール「よなよなエール」をはじめクラフトビール、ビールグラスなどを販売するショップです。
トップページには「クラフトビールはじめてセット」や「父の日ギフト」など、ターゲットや季節に応じたトピックを掲載。また、決済方法や送料、問い合わせ先など「欲しい情報」が瞬時にわかるなど、顧客満足度を高める工夫がされています。
大館市ふるさと納税
画像引用:大館市ふるさと納税 | 楽天市場
秋田県は大館市で行うふるさと納税のECサイトです。トップページは画面が切り替わる仕様になっており、「きりたんぽ鍋」「秋田犬」「広大な田園風景」など、秋田を連想させる写真を掲載しています。
サイト全体が写真を多用した設計に。テキスト情報は必要最低限に抑え、ふるさと納税でもらえる品々が写真だけでわかるようになっています。
COCODESICA(ココデシカ)
画像引用:COCODESICA | 楽天市場
COCODESICA(ココデシカ)は、マタニティグッズを販売しているショップです。トップページに赤ちゃんの写真と、「いとおしい日々、ここでしか。」というキャッチーなコピーを表示。一目でベビー用品を扱っているショップだとわかります。
ホワイトベースの背景と手書き調のフォントが、日々の丁寧なくらしや落ち着きを与えています。
【まとめ】楽天は始めやすく集客にも強い。メリットを活かしてECを促進させよう
楽天市場は国内トップのECモールであり、圧倒的な集客力やイベントやキャンペーンの充実など多くのメリットがあります。ただし、出店料が高かったり、プロモーションに制限があったりと難点も。出店を前向きに検討されている方は、楽天のメリットを最大限活かして、自社ECの売上アップを狙いましょう。
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