自社ECサイトへの集客方法|集客の基本・具体的な方法・成功のポイントを解説!
自社ECサイトを開設したが、思うように集客できていない。
自社ECサイトの開設を検討しているが、どうやって集客すればいいかわからない。
そんな悩みを持つ企業担当者の方に向け、ECサイト集客の基本から具体的な集客方法、集客を成功させるポイントを解説していきます。
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ECサイト集客の基本
ビジネスとしてのECサイトを成功させるためには「集客」が絶対条件。なぜなら、ECサイトの売上は以下の計算式で決まるからです。
・ECサイトの売上 = 訪問者(集客数)× 購入率(CVR)× 客単価
ECサイトの購入率は、通常1〜2%程度だといわれていますが、どんなに工夫を凝らしてもこれを10%にすることは困難。アップセル / クロスセルという方法はあるものの、客単価を大幅に上げるにはショップコンセプト / 商材の見直しが必要です。
一方、100人だった訪問者が200人になれば、売上は単純計算で2倍になります。訪問者が多ければ、購入率 / 客単価を改善することで、さらなる売上増も実現可能。ECサイトへの集客が絶対条件である理由です。
それでは、ECサイトへの訪問者(集客数)を増やすにはどうしたらいいのか?ターゲットユーザーに自社ECサイトを認知してもらい、興味を持ってもらうこと。これが、ECサイト集客の基本です。
自社ECサイトへの集客が難しいのはなぜか
ただし、モール型ECサイトに比べ、自社ECサイトへの集客は難しいのが現実。なぜなら、それ自体に大きな集客力のあるECモールに対し、自社ECサイトは「人通りのない裏路地」に路面店を出店するようなものだからです。
Amazonや楽天など集客力のあるECモールなら、ブラウザのブックマークからダイレクトにアクセスする人も多いでしょう。しかし、認知していない(URLを知らない)ECサイトにはアクセスしようがありません。
ECサイトへの流入経路 / 顧客接点(チャネル)
こうしたユーザーとの接点(チャネル)を設け、自社ECサイトまでの流入経路を作ることこそが「集客方法」です。たとえば、表通りに設置した看板(チャネル)に店舗までの道順(流入経路)を明記して道ゆく人々にアピールすることをイメージするとわかりやすいでしょう。
もちろん、チャネルの数が多ければ、より多くの人を店舗に誘導できます。多様なECサイト集客方法が存在するのはこのため。では、なにをチャネルとして利用すればいいのか?そのヒントとなるのが「PESOモデル」です。
PESOモデルとは
PESOモデルとは「Paid Media」「Earnd Media」「Shared Media」「Owend Media」の頭文字を取ったマーケティング用語のこと。マーケティングする際に、顧客接点(チャネル)となり得る媒体(メディア)を、4つに分類したフレームワークです。
画像参照:株式会社ルネイム
それぞれのメディアには情報の「仲介(Paid)」「報道(Earned)」「拡散(Shared)」「発信(Owned)」という役割があります。メディアそれぞれの役割と特徴を意識しながら活用することで、ECサイトへの集客に相乗効果が得られるのです。
メディア |
概要 |
具体例 |
特徴 |
Paid Media (ペイド) |
対価を支払って枠を 確保する広告媒体 |
Web広告、 TV / ラジオ / 新聞などのマス広告 など |
即効性はあるが、 広告枠を確保する 費用がかかる |
Earned Media (アーンド) |
報道・取材で情報を 拡散する第三者の媒体 |
マスメディア、 Webメディアなどの 報道・取材記事など |
費用はかからないが、 パブリシティ活動が 必要 |
Shared Media( シェアード) |
消費者が情報発信 するための媒体 |
Twitter / Instagram / Facebookなどの SNS、ブログなど |
自社のコントロール がおよばない |
Owned Media (オウンド) |
企業が所有し、情報発信 するための媒体 |
ECサイト コーポレートサイト 実店舗 企業のSNSアカウント、 パンフレットなど |
費用を抑えた 情報発信が可能だが、 効果を感じられるまで 時間がかかる |
即効性のある集客方法 / 中長期的に取り組む集客方法
現在幅広く活用されている主なECサイト集客方法は、PESOモデルのいずれかにチャネルを設置しています。つまり、チャネルを設置するメディアの特徴に応じ、ECサイト集客方法は「即効性のあるもの」「中長期的に取り組むべきもの」の2つに分類できます。
たとえば、Web広告は即効性の期待できる集客方法ですが、費用がかかります。コンテンツマーケティングは内製することで費用を抑えられますが、効果が出るまでに時間がかかるため中長期的に取り組まなければなりません。自社ECサイトの特性、成長ステージにあわせ、適切な集客方法を組み合わせていくことがポイントです。
新規ユーザーの集客方法 / リピーターの集客方法
ECサイトへの集客というと、新規ユーザー獲得のみに意識が向いてしまいがちですが、リピーター獲得を忘れてはいけません。顧客として獲得したユーザーを、リピーターという固定客にすることで、ECサイトの成長ベースとなる売上を作れるからです。新規獲得とは別に、リピーター獲得に向けた施策もしっかり実施しましょう。
自社ECサイトへの集客方法:新規ユーザー獲得
手法 |
概要 |
基本的なSEO対策 |
ECサイトを検索エンジンに最適化(SEO内部対策)することで 訪問者の流入を促す |
Web広告 |
リスティング広告、バナー広告、SNS広告などで 自社ECサイトへの流入を促す |
コンテンツ マーケティング |
ターゲットユーザーに有益なコンテンツを配信すること で自社を能動的に見つけてもらい、ファン化を促す |
SNS マーケティング |
自社SNSアカウントを活用してユーザーとコミュニケーションを深め、 シェアードメディア(ユーザーのSNS)からの拡散を促す |
動画 マーケティング |
Web広告やマーケティングで配信するコンテンツに動画を活用する。 視覚的に訴えかけることで自社ECサイトへの流入を促す |
パブリシティ活動 |
アーンドメディアに自社商材を取り上げてもらうことで 自社ECサイトへの流入を促す(オリジナル商品を製造している場合のみ) |
集客の基本・概要を把握できたところで、早速、自社ECサイトへの具体的な集客方法を解説していきましょう。まずは「売上の分母」となる新規ユーザー獲得方法です。集客のために自社からアプローチする方法は、基本的に「Paid」「Earned」「Owned」のいずれかのチャネルを利用します。
基本的なSEO対策
まずやるべきことは、ECサイトの基本的なSEO対策(SEO内部対策)です。SEO内部対策とは、検索エンジンに最適化(Serach Engine Optimization)することで自社ECサイトをGoogleに認知してもらう対策のこと。ユーザーにとってわかりやすいサイトだとGoogleが認識することで、結果的に検索結果の上位表示や訪問者の自然流入増が期待できます。
具体的なSEO内部対策は多岐に渡りますが、主なものは以下の通りです。
- ECサイトの構造を単純化する / サイトマップを用意する
- モバイルファーストのECサイトにする
- Webページの表示速度を改善する
また、ECサイトのメインコンテンツである「商品ページ」を作り込むこともSEO内部対策につながります。パンくずリストを設定するなど、ユーザーにとってわかりやすいサイト / ページ作成を心がけることがポイントです。
Web広告
自社ECサイトへの集客方法として、ペイドメディアのチャネルを利用する代表的なものがWeb広告です。ただし、Web広告とひとことにいっても種類はさまざま。即効性はあるものの、当然、広告枠を確保するための費用が必要です。
主なWeb広告の種類は以下の通り。
Web広告の種類 |
概要 |
リスティング広告 |
検索連動型広告。Googleなどの検索結果にキーワードと連動した 広告を表示する |
ディスプレイ広告 (バナー広告) |
コンテンツ連動型広告。PVの多いWebサイトの広告枠に出稿する。 バナーで表示されるため、バナー広告とも呼ばれる |
SNS広告 |
Facebook、Twitter、InstagramなどのSNSに配信する広告 |
動画広告 |
動画を活用した広告。YouTubeを含むSNSやバナー広告に利用される |
アフィリエイト広告 |
アフィリエイターに自社商材を紹介してもらう成果報酬型広告。 コンバージョンで費用が発生 |
成果報酬型のアフィリエイト広告以外は、基本的にクリック課金(広告クリックで課金)、またはインプレッション課金(広告1,000回表示で課金)のどちらか。特に広告効果が大きいといわれるリスティング広告はクリック課金を採用しており、キーワードによって単価は1,000円程度になる場合もあります。
つまり、Web広告は商材単価が低い場合、費用対効果が得られないこともあります。ECサイトのローンチ後、新商品リリース時など、商材の単価を念頭におきながら、適切なタイミングで活用するのがWeb広告運用のポイントです。
コンテンツマーケティング
自社ECサイトへの集客方法として、オウンドメディアのチャネルを利用する代表的な方法がコンテンツマーケティングです。具体的には、ターゲット(ユーザー)にとって有益な情報(コンテンツ)を発信することで、ユーザーの側から能動的に自社を見つけてもらうマーケティング手法。
ポイントとなるのは、自社商材のアピールを廃し、ターゲットユーザーの悩みを解決する良質なコンテンツを配信すること。ユーザーの信頼を獲得し、自社のファンになってもらうことがコンテンツマーケティングの目的だからです。効果を感じられるまでには時間がかかりますが、関係性(エンゲージメント)の深いユーザーを獲得するのに有効です。
SNSマーケティング
オウンドメディアのチャネルを利用したコンテンツマーケティングの一種ともいえるのが、SNSマーケティングです。具体的には、自社所有のSNSアカウントからさまざまな情報を発信するマーケティング手法。コンテンツマーケティングと異なるのは、自社商材のアピールも含まれることです。
ポイントとなるのは、ターゲットとなるSNSユーザーとのコミュニケーション。ユーザーとの関係性を築くことで、シェアードメディア(ユーザーのSNSアカウント)による拡散効果も狙えます。アパレル・アクセサリーならInstagramなど、商材によって適したSNSチャネルを選択することが重要です。
動画マーケティング
動画マーケティングとは、文字通りマーケティングに動画コンテンツを活用すること。具体的には、コンテンツマーケティング、SNSマーケティングで配信するコンテンツに動画を活用するということです。
ネットワークの高速化、動画配信サイト普及の進んだ現代では、動画視聴への抵抗感が薄れているため、ターゲットへ効果的にアプローチできる手法です。特に目新しい手法ではありませんが、膨大な情報量を活かしたブランディング、商品説明などへの活用が進んでいます。
パブリシティ活動
アーンドメディアのチャネル経由で拡散した情報から、自社ECサイトへの集客を狙う手法がパブリシティ活動です。パブリシティ活動とは、アーンドメディアに自社情報を提供し、取り上げてもらう(報道・取材)よう働きかけること。PR(Public Relations)活動の一環として実施されます。
広告と異なり掲載費用がかからないため、オリジナル商品を開発するECサイトの集客方法として最適。一方、既存製品を販売するECサイトにとっては活用しにくい集客方法です。
自社ECサイトへの集客方法:リピーター獲得
次に「ECサイトの売上ベース」となる、リピーターを獲得するための集客方法を解説していきましょう。すでに自社ECサイトと接点(購入もしくはユーザー登録)を持つ顧客を優良化する方法であるため、基本的にオウンドメディアのチャネルを活用します。
メールマーケティング
リピーターを獲得するための代表的な方法がメールマーケティングです。具体的には、メールアドレスを登録している顧客に向けたメルマガを配信し、継続的な関係性を築く方法が挙げられるでしょう。
メルマガ配信のメリットは、顧客の属性にあわせてメルマガの内容を最適化できること、配信のタイミングを含め、自社でコントロールできること。クーポン添付などの開封率を高める工夫、継続した改善活動は必須ですが、取り組む価値のあるリピーター獲得方法です。
また、リピート獲得を目的にするものではありませんが、カゴ落ち対策としてのメール活用も忘れてはならないポイントです。カートに商品を入れたまま放置している顧客に、クーポン付きのリカバリーメールを送信すればCVRを改善可能。結果的に、ECサイトの売上改善に役立ちます。
LINE
リピーターを獲得する方法としては、国内でもっとも利用されているSNSである「LINE公式アカウントの活用」も有効です。友だち登録してくれた顧客と継続的な関係を築くことで、リピート / 優良顧客化を促せます。
メルマガよりも開封率が高いといわれており、クーポンの配布やショップカードの発行も可能。ユーザー層の厚い若年層にリーチできるメリットもあります。
画像出典:LINE for Business
自社ECサイトへの集客を成功させるポイント
ここまでで、自社ECサイトへ集客する代表的な方法、リピーターを獲得する代表的な方法を解説してきました。これを踏まえた上で、自社ECサイトへの集客を成功させる、ヒントとなるポイントを解説しておきましょう。
ショップコンセプトの明確化
ECサイト開設時に明確にしているはずの「ショップコンセプト」ですが、集客施策を講じる前に、今一度コンセプトを見直してみましょう。ショップコンセプトとは、だれに(ターゲット)なにを(商材)届けるのか、どのような価値を提供するのか、ショップとしての一貫した方針のことです。
つまり、コンセプトさえ明確になっていれば、だれに(ターゲット)アプローチすべきなのかが見えてきます。
逆に、コンセプトがあやふやなままでは、アプローチすべきターゲットにリーチできません。
ターゲットに応じた集客方法
明確になったターゲットにアプローチするには、どのような集客方法が効果的なのか、しっかり検討しましょう。なぜなら、ECサイトへの集客方法は多岐に渡るため、すべての施策を実行するには資金面・リソース面が不足する場合もあるからです。
限られた資源・リソースを有効活用するには、どこにどのくらい配分するのかを見極めることが重要。集客方法それぞれの特徴を把握し、適切なタイミングで適切な施策を実行できるよう、優先順位をつけておくのがおすすめです。
販売チャネルを増やす
実施する集客施策に相乗効果を与えるためにも、販売チャネルを増やしましょう。たとえば、実店舗との連携を強化する。実店舗を持たない企業なら、ECモール出店などでマルチチャネル化する、SNSを販売チャネルに利用するなどが考えられます。
販売チャネルを増やすということは、集客の基本である流入経路 / 顧客接点(チャネル)を増やすことと同じ。たとえばShopifyで構築したECサイトなら、Amazon / eBayでの販売や、SNSでの販売も簡単です。
自社ECサイトへの集客方法を紹介しました
自社ECサイトを開設したが、思うように集客できていない。自社ECサイトの開設を検討しているが、どうやって集客すればいいかわからない。そんな悩みを持つ企業担当者の方に向け、ECサイト集客の基本から具体的な集客方法、集客を成功させるポイントを解説してきました。
本文内でも解説したように、自社ECサイトへの集客は簡単ではありません。それぞれの集客方法を実施するには、専門的な知識が求められる場合もあります。自社のみで集客施策を実施するのは難しいと感じるなら、集客に定評のあるECコンサル会社に相談してみるのも方法です。
なお、ECサイト制作会社の探し方・選び方がわからない!という方はEC幹事にお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算に合った最適な会社を厳選してご紹介します。相談料・会社紹介料などは無料です。