BASEとShopify徹底比較|どんな人におすすめ?費用・決済・機能・海外対応を比較!
商品の海外販売も視野に入れているが、越境ECに対応する人気サービス「BASE」「Shopify」どちらを選ぶか迷っている。自社ECサイトに適しているのはどっち?
そんな方に向け、BASEとShopifyの費用・決済・機能・海外対応を徹底比較!それぞれがどんな人におすすめなのかがわかります。
BASEとShopifyの基本情報を比較
まずはプラン / 費用など、BASEとShopifyの基本情報を比較表で確認するとともに、それぞれのサービス概要、向いている人・企業を紹介していきます。
BASE |
Shopify |
||||
プラン |
スタンダード プラン |
グロース プラン |
ベーシック |
スタンダード |
プレミアム |
初期費用 |
無料 |
無料 |
|||
月額費用 |
無料 |
・月払い 5,980円 / 月 ・年払い 4,980円 / 月 |
・月払い 33ドル / 月 (約4,500円) ・年払い 25ドル / 月 (約3,400円) |
・月払い 92ドル / 月 (約12,500円) ・年払い 69ドル / 月 (約9,300円) |
・月払い 399ドル / 月 (約54,000円) ・年払い 299ドル / 月 (約40,400円) |
クレジット カード 決済手数料 |
サービス利用料3% + 3.6%〜 + 40円 |
2.9%〜 |
3.4%〜 |
3.3%〜 |
3.25%〜 |
商品登録数 |
無制限 |
無制限 |
|||
商品登録 画像数 |
〜20枚 / 1商品 |
〜250枚 / 1商品 |
|||
独自 ドメイン |
◯ |
◯ |
|||
常時SSL |
◯ |
◯ |
BASE / Shopifyともに初期費用無料、商品登録数が無制限という点で共通しており、自社ECサイト構築に必須の独自ドメイン / 常時SSLにも対応。BASEのグロースプランは、月額費用で比較するとShopifyのベーシックに相当しますが、特徴はクレジットカード決済手数料。業界最安値といっていい、2.9%を実現しています。
BASEがおすすめの人・企業は?
画像出典:BASE
BASEは、東京都港区に本社を構えるBASE株式会社が開発・提供する、ASP型ネットショップ作成サービスです。お母さんでも使えるをコンセプトに、2012年11月からサービスの提供を開始。ECへの参入ハードルを下げる「売れたときだけ手数料」という仕組みを採用し、2023年には190万ショップから利用される人気サービスへと急成長しました。
さらに、2022年4月からは、月額料金がかかる代わりに業界最安値の決済手数料で販売できる「グロースプラン」も追加。従来のコンセプトはそのまま、本格的にECサイトを運営したい個人・法人ニーズにも対応するサービスとして注目されています。特に、BASEをおすすめできるのは、以下のような人・企業です。
- ECがビジネスとして成立するのか、リスクなしで試してみたい人・企業
- コストを最小限に抑えながら月商数百万円規模のECサイトを開業したい人・企業
- 英語圏を対象にした越境ECにチャレンジしてみたい人・企業
トライアル的な使い方、本格的なビジネス、どちらにも対応できるECプラットフォームであることがBASEの特徴。「スタンダード」「グロース」どちらのプランも機能は同一のため、繁閑期に応じてプランを切り替えるという使い方も可能です。
越境ECへの対応など、プラグイン形式で機能を拡張できるアプリが使えることもポイント。ECビジネスへ本格的に取り組みたい方でも満足できるアプリが揃っていますが、アプリ数 / 拡張性という点では、Shopifyに軍配が上がります。
Shopifyがおすすめの人・企業は?
画像出典:Shopify
Shopifyは、カナダ発祥のクラウド型グローバルコマースプラットフォーム。アメリカEC市場シェアの約10%を占めるといわれており、世界170か国、数百万ショップ以上で利用されている世界最大規模のECサイト構築サービスです。2017年の日本法人設立を機に日本語化が急ピッチで進められており、大手企業を含む国内採用例も急増しています。
小規模事業者から大企業まで対応する柔軟性・拡張性を備えることはもちろん、越境ECが容易なのもグローバルプラットフォームであるShopifyの特徴。スタイリッシュなECサイトを簡単に構築できる使い勝手の良さにも定評があります。特に、Shopifyをおすすめできるのは、以下のような人・企業です。
- 月商数千万円規模のECサイトを目指し、段階的に機能を拡張したい人・企業
- 本格的な越境ECにチャレンジしてみたい人・企業
- コストを抑えながら柔軟性・拡張性・デザインに優れたECサイトを構築したい人・企業
世界中の開発者が参加するオープンプラットフォームを形成したShopifyは、機能を拡張する豊富な有償 / 無償アプリを活用できることもポイント。グローバルビジネスの経験を活かした越境EC機能は、新たな市場を開拓し、ECビジネスを拡大する有効なソリューションとなり得ます。
一方、柔軟性・拡張性が高いため、Shopifyを使いこなす一定のスキルが必要なことも事実。日本語化されていないアプリの活用には英語力が求められます。この点においては、誰でも使えるハードルの低さと拡張性を兼ね備えた国産ツール、BASEに魅力を感じる場合もあるでしょう。
BASEとShopifyのショップデザインを比較
グロースプランの追加されたBASEとShopifyは、初期費用無料、アプリによる機能拡張という共通点があるものの、おすすめできる人・企業は異なります。それはなぜか?さまざまな観点からBASEとShopifyを比較することで明確にしていきましょう。まずはBASEとShopifyのデザイン比較です。
BASE |
Shopify |
|
無償テーマ / テンプレート数 |
約16種類 |
約12種類 |
有償テーマ / テンプレート数 |
40種類以上: 5,000円〜16,500円 |
約123種類: 100ドル〜350ドル程度 (約13,500円〜47,250円) |
BASEは「テンプレート」を、Shopifyは「テーマ」をベースに、ショップデザインをカスタマイズしていきます。
アプリでテンプレートを自由に編集できるBASE
もともと、だれでも簡単にネットショップをはじめられるよう設計されたBASEは、ショップデザインの自由度に制限があり、HTML編集もできませんでした。無償テンプレート数は多いものの、独自性をデザインで表現することが従来は難しかったのも事実です。
こうした声を反映して登場したのが「HTML編集App」というアプリ。BASEにHTML編集Appをインストールすることで、テンプレートのHTML / CSS / JavaScriptを自由にカスタマイズできるようになりました。有償テンプレートも充実してきています。
スタイリッシュなテーマが豊富に用意されたShopify
無償テーマが12種類と、BASEよりもやや少なめなShopifyですが、約123種類(2023年5月現在)の有償テーマが用意されており、選択肢が豊富なのが魅力。スタイリッシュなテーマデザインには定評があり、Shopifyを選定する決め手になったという方も。
もちろん、HTML / CSS / JavaScriptを使ったカスタマイズも可能です。細かなデザインニーズへの柔軟な対応は、BASEと比較したShopifyの利点。デザインを重視したECサイトを構築したい方に、Shopifyをおすすめできる理由です。
デザインカスタマイズにはHTML / CSSのスキルが必要
どちらもテーマ / テンプレートのHTML編集に対応するBASE / Shopifyですが、カスタマイズするには、HTML / CSS / JavaScriptのコーディングスキルが必要です。カスタマイズしたテーマ / テンプレートは、アップデートによる機能追加が反映されない場合があることにも注意が必要。カスタマイズ後は、自社管理が必要です。
自社にHTML編集できる人材がいない、自分で編集するのは不安がある、といった場合はECサイト構築会社に相談してみるといいでしょう。
BASEとShopifyの機能を比較
次に、BASEとShopifyの主な機能を比較表で確認するとともに、機能面に関するそれぞれの特徴を紹介していきます。
BASE |
Shopify |
|
パスワード保護 |
◯ |
◯ |
購入制限 |
アプリで対応 |
◯ |
年齢制限 |
アプリで対応 |
アプリで対応 |
送料詳細設定 |
アプリで対応 |
◯ |
レビュー機能 |
アプリで対応 |
アプリで対応 |
ポイント機能 |
× |
アプリで対応 |
クーポン発行 |
アプリで対応 |
◯ |
再入荷通知 |
アプリで対応 |
◯ |
メールマガジン |
アプリで対応 |
2,500通まで無料、 以後1,000通ごとに10ドル |
予約販売 |
アプリで対応 |
アプリで対応 |
まとめ販売 |
× |
アプリで対応 |
定期販売 |
アプリで対応 |
アプリで対応 |
ダウンロード販売 |
アプリで対応 |
アプリで対応 |
受注生産販売 |
アプリで対応 |
アプリで対応 |
アクセス解析 |
◯ |
◯ |
Instagram連携 |
アプリで対応 |
◯ |
必要な機能をアプリで追加できるBASE
必要な機能をアプリで追加していくことがBASEの特徴ですが、Shopifyと比較した場合、デフォルトとなるBASEの基本機能はより絞り込まれています。「アプリで機能拡張」というコンセプトで共通する両者ですが、BASEはECサイト初心者でも使いやすい「シンプル」を重視したサービスだといえるでしょう。
それは、80種類(2023年5月現在)以上用意されたアプリのほとんどが「無償で使える」ことからもわかります。ECがビジネスとして成立するかリスクなしに試したい方に、BASEをおすすめできる理由です。
アプリでアパレル / ノベルティ販売をサポート
ECサイトの独自性をアピールできる、ユニークなアプリが用意されていることもBASEの特徴です。たとえば、商品買付や製造をサポートする「AYATORI App」、女性モデルへ撮影依頼できる「リモフォトApp」などのアパレル系アプリ。アクセサリー、マグカップ、Tシャツ、スマホケースを作成 / 販売できるノベルティ系アプリなどを利用できます。
他社との差別化を図り、ECサイトを月商数百万円規模まで成長させたい方にもBASEをおすすめできる理由。アパレル系のOEM委託生産を検討している方にも有効なアプリです。
OEMについては以下の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:OEMとは?種類・メリット・デメリット・OEM委託先の探し方を解説!
豊富なアプリで拡張性に優れるShopify
アプリ追加で機能拡張というコンセプトは同じですが、豊富なアプリを活用できるShopifyは、拡張性・柔軟性でBASEを圧倒します。その数なんと8,000種類(Shopifyアプリストア、2023年5月現在)以上。段階的に機能を拡張し、月商数千万円規模へECサイトを成長させたい方にShopifyをおすすめできる理由です。
ただし、用意されたアプリすべてが日本語に対応しているわけではありません。カスタマイズには、Shopifyが開発した独自言語「Liquid」のスキルも必要。Shopifyで構築したECサイトを大きく成長させていくには、開発パートナーの協力が必要な場合もあります。
成長ステージに応じたスターター / Plusプラン
段階的にECサイトを成長させたい方へShopifyをおすすめできるもう1つの理由は、通常プランをフォローする「スターター」「Plus」が用意されていること。
とにかく手軽にECビジネスをはじめたい方であれば、SNSで簡単に商品を販売できる月額5ドルの「スターター」を利用可能。実店舗と連携したオムニチャネル戦略、BtoB ECにも取り組みたい大企業であれば、月額2,000ドルからの「Plus」を利用できます。
BASEとShopifyの越境EC機能を比較
機能比較とは別に、BASEとShopifyの越境EC機能も比較表で確認してみましょう。越境ECに関するそれぞれのサービス内容も簡単に紹介します。
越境ECの機能 |
BASE |
Shopify |
複数言語での販売 |
アプリで英語に対応 |
最大5言語まで |
現地通貨での海外販売 |
アプリで外貨に対応、 決済はPayPalで対応 |
◯ |
海外ドメイン |
× |
スタンダードプラン以上 |
英語圏の越境ECを手軽にスタートできるBASE
「英語・外貨対応App」をインストールすることで、海外IPからのアクセスには英語のストアフロントを表示可能。34種類の外貨を表示できるため、PayPal決済による越境ECを手軽に実現できます。世界150か国に対応する海外配送サービス「NEOlogi」と連携できるアプリも用意されており、インボイス作成を含む面倒な手続きも不要です。
ただし、越境ECを利用するユーザーの大半は「自国言語のECサイトから購入する」ことも事実。英語表示のみに限定されるBASEの場合、市場規模の大きな中国へアピールするのは難しいかもしれません。
本格的な越境ECに対応するShopify
本格的な越境ECに取り組みたい方であれば、Shopifyがベスト。グローバルコマースプラットフォームであるShopifyは、基本機能として多言語・多通貨へ対応しているからです。グローバルを前提とした決済手法「Shopifyペイメント」が利用できるのもポイント。海外クレジットカード決済をはじめとした、海外からの多彩なニーズに対応できます。
スタンダード以上であれば海外ドメインも利用できるため、SEO対策もスムーズ。世界170か国以上で利用される、Shopifyならではのノウハウを最大限活用できます。
BASEとShopifyの決済方法・手数料を比較
最後に、BASEとShopify決済方法・手数料も比較表で確認しておきましょう。BASEは「BASEかんたん決済」と、Shopifyは「Shopifyペイメント」との契約を前提にしています。まずはBASEとShopifyが対応する決済方法です。
BASE |
Shopify |
|
クレジットカード決済 |
◯ |
◯ |
銀行振込 |
◯ |
◯ |
代金引換 |
× |
◯ |
コンビニ払い |
◯ |
◯ |
後払い |
◯ |
◯ |
キャリア決済 |
◯ |
◯ |
楽天ペイ |
× |
× |
PayPal |
◯ |
◯ |
Amazon Pay |
◯ |
法人のみ対応 |
PayPay |
◯ |
◯ |
Google Pay |
× |
◯ |
Apple Pay |
× |
◯ |
Stripe |
× |
◯ |
比較表の決済方法以外に独自の決済方法「Pay ID」も用意されているBASEですが、代金引換ができないことを含め、多彩さという点ではShopifyに軍配が上がります。
一方、多彩な決済方法が用意されるShopifyペイメントは、上述したように海外クレジットカードに対応できることがポイント。初期費用や月額費用もかかりません。ただし、Shopifyペイメント以外の決済方法を導入した場合、0.5%〜2.0%の手数料がかかります。続いて、それぞれのクレジットカード手数料を、もう少し細かく比較してみましょう。
BASE |
Shopify |
||||
プラン |
スタンダードプラン |
グロースプラン |
ベーシック |
スタンダード |
プレミアム |
クレジット カード 手数料 |
サービス利用料3% + 3.6%〜 + 40円 |
2.9%〜 |
日本のカード: 3.4% 海外 / Amex: 3.9% JCB: 4.15% |
日本のカード: 3.3% 海外 / Amex: 3.85% JCB: 4.1% |
日本のカード: 3.25% 海外 / Amex: 3.8% JCB: 4.05% |
なんといっても目を引くのは、グロースプランに設定されたBASEの料率です。クレジットカードのブランドにもよりますが、VISA / Masterのシェアを考えれば、BASEのクレジットカード手数料は魅力です。
ただしBASEの場合、海外のクレジットカードに対応できない点には注意が必要。決済方法・手数料から見ても、BASEとShopifyの性格が異なることがわかります。
BASEとShopifyの比較まとめ
商品の海外販売も視野に入れているが、越境ECに対応する人気サービス「BASE」「Shopify」どちらを選ぶか迷っている。そんな方に向け、BASEとShopifyそれぞれがどんな人におすすめなのか?費用・決済・機能・海外対応を比較・紹介してきました。
初期費用無料、アプリによる機能拡張という共通点を持つ人気サービス「BASE」「Shopify」ですが、それぞれの目指しているベクトルは大きく異なります。本記事で紹介したおすすめできる人・企業を参考に、自社に適切なサービスを選定してください。