ECサイトの商品撮影代行とは？依頼する流れや料金について解説

消費者が直接的に商品に触れられないECサイトでは、写真がとても重要です。

しかし、時間や技術がなく満足ゆくものが撮れないと悩んでいる方も多いことでしょう。

本記事では、撮影代行の料金相場やメリットなどについて詳しく解説します。ECサイトの売上アップのためにもぜひ最後まで読んでみてください。

なお、ECサイト制作会社の探し方・選び方がわからない！という方はEC幹事にお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算に合った最適な会社を厳選してご紹介します。相談料・会社紹介料などは無料です。

商品撮影代行とは

商品撮影代行とは、プロのカメラマンや撮影会社などがECサイトに掲載する商品写真の撮影を代行してくれるサービスです。自分で撮影する場合、機材の選定やレンタル、スケジュール調整など、多くの手間がかかりますが、代行会社はこれらの業務を一手に引き受けてくれます。

もちろん、機材がなくても、スマホ1つあれば自分1人で写真を撮ることは可能です。しかし、「売上につながる写真」を撮るのであればプロに任せた方がよいでしょう。なぜなら、ECサイトでは、消費者は商品の実物を見たり触ったりできないため、商品写真が購入の決め手となるからです。ECサイトの売上を最大化させるためにも、商品撮影代行についての理解を深めましょう。

目的によって外注先は異なる

撮影代行の主な外注先は以下の2種類です。

どちらに依頼するかは目的によって異なります。

カメラマン

商品写真がすぐに必要な場合はカメラマンに依頼することをおすすめします。代行会社の場合、撮影から編集、加工といった工程が生じるため、時間がかかってしまうことがあるからです。
カメラマンに依頼した場合は撮影が完了次第、素早く写真データを手元に届けてくれます。依頼から納品までにかかる平均的な日数は、カメラマンの場合は即日～5日程度、撮影代行会社の場合は1週間程度です。

また、代行会社では、一連の工程に担当者がいて、その分コストも高くなりがちですが、カメラマンに直接依頼することで、コストを抑えることも可能です。

撮影代行会社

ECサイトを立ち上げたばかりで、これから商品写真を撮影するのであれば、撮影代行会社を利用することをおすすめします。代行会社は幅広い業種の商品撮影で培われたノウハウを持っているので、初めてでも安心して外注できます。また、商品撮影以外にも、ECサイトの運営に必要な以下の業務を代行会社に依頼することも可能です。

• LP（検索結果や広告などからユーザーが最初にアクセスするページ）作成
• バナーの制作
• 広告運用など

代行会社のサービスを積極的に利用することで、時間と労力を節約し、ECサイトを効率的に運営していきましょう。

商品撮影代行の発注の流れ

実際に、商品の撮影代行を外注した場合の流れは以下のとおりです。

1. 事前共有：撮影する商品の種類や数量、要望などを共有
2. 商品を発送：撮影を依頼する商品を代行会社へ発送
3. 代行会社が撮影：事前に共有されたコンセプトをもとに撮影
4. 代行会社が加工：撮影した写真を加工して見栄えをよくする
5. データの納品・商品の返送：加工データを納品し、商品を返送してもらう

上記以外にも、出張撮影という方法があり、プロのカメラマンが希望の場所に撮影しにきてくれます。送料などの発送にかかる手間を省くことは可能ですが、出張費がかかるので、費用は高くなります。

商品撮影費用の内訳

商品撮影費用の内訳は以下のとおりです。

• カメラマン代
• 機材費
• スタジオ代
• オプション代

それぞれの費用について解説します。

カメラマン代

カメラマン代は、撮影時間やカット数などにもとづいて算出されます。プロのカメラマンは豊富な実績を持っているため、料金設定が一般的に高くなりがちです。逆に、経験の浅いカメラマンは仕事を増やすために料金を低めに設定していることがあります。

また、カメラマンの手配は自分で行う場合と代行会社が手配する場合の2パターンがあります。初めて商品撮影を外注する際は、代行会社にカメラマンの選定を任せましょう。代行会社は幅広い実績と専門知識を持っており、撮影する商品に適したカメラマンを選んでくれます。カメラマン代については、後述する「カメラマンの料金相場」を参照してください。

機材費

機材費は時間単位で算出されることが一般的です。

撮影に必要な機材は以下のとおりです。

• カメラ
• 三脚
• フィルム
• 照明機器
• レフ板
• 背景紙など

たとえば、3万円のカメラと20万円のカメラでは1時間あたりの費用が異なることもあります。できるだけ機材費を抑えることが大事ですが、機材のスペックは写真の仕上がりにも影響を与えるので、安ければいいというわけではありません。商品撮影を外注する際は、事前に機材やコストについて代行会社と綿密に打ち合わせましょう。

スタジオ代

スタジオを借りて商品撮影を行う場合、レンタルスタジオの使用料が発生します。スタジオ代は時間単位で算出され、一般的な料金相場は1時間あたり3,000円～20,000円と、地価やスタジオの広さによって料金はさまざまです。撮影時間が長引くと、料金が高くなるので、予算をオーバーしないように、撮影時間には注意しましょう。

また、レンタルスタジオは、天候の影響を受けやすい屋外ではなく屋内を選ぶことが大事です。
撮影環境が安定しているため、実際に多くの代行会社が屋内スタジオを利用して商品撮影を行っています。

オプション代

オプションとは、たとえばアパレル商品を撮影する場合に、着用時のイメージを伝えるため、マネキンやモデルを使用すること。食品を撮影する場合は、調理風景や食事風景などのシーンを準備することです。

オプションの料金相場は、マネキンの場合は1カットにつき1,500円、食事風景の場合は1オーダーにつき3,000円などさまざまです。オプションを利用することで、商品をより魅力的に見せたり、独自の世界観を消費者に伝えられます。

カメラマンの料金相場

次にカメラマンの料金相場について、アマチュアとプロに分けて解説します。
料金はカメラマン自身が自由に設定できるため、下記の表に記載している料金よりも安いこともあれば、高いこともあります。

アマチュア

アマチュアカメラマンの場合は1カット500円～、または1時間3,000円〜10,000円が一般的な料金相場です。料金はプロカメラマンと比較すると、当然低めに設定されています。商品撮影の予算が少ない場合は、アマチュアに依頼するのもアリですが、クオリティの高い写真を求めるのであればプロに依頼することをおすすめします。

プロカメラマン

プロカメラマンの場合は1カット1,000円〜10,000円、または1時間20,000円前後が料金相場です。プロカメラマンは豊富な経験を持ち、商品撮影におけるテクニックやコツを熟知しています。
光の使い方や構図、照明の設定など、商品を最大限に魅力的に見せるための技術を駆使して撮影を行います。ECサイトで商品の魅力を最大限に引き出すには、プロの技術と経験が不可欠といえるでしょう。

撮影代行サービスの料金相場

撮影代行サービスの料金相場は以下のとおりです。

それぞれの料金相場について解説します。

郵送撮影

郵送撮影は、商品を郵送して代行会社に届けて撮影してもらうサービスで、もっともリーズナブルな方法です。撮影のために商品を運ぶ手間がかからず、遠隔地や遠方のカメラマンや代行業者にも依頼できる点もメリットといえます。

1商品あたりの撮影料金は、一般的に300円～、画像加工などのオプションを追加すると、1カット5,000円程度になることもあります。撮影業者やサービス内容によって料金設定は幅広いのでサービス内容と価格を事前によく確認しましょう。

スタジオ撮影

スタジオ撮影は、レンタルスタジオを利用して商品の撮影を行うサービスです。スタジオ代と撮影代の合計が料金になります。スタジオ代の料金相場は1時間あたり3,000円から20,000円程度です（スタジオの規模や設備、地域によって異なります）。撮影代は、アマチュアカメラマンに出張撮影を依頼した場合は3,000円～、プロカメラマンや代行会社に依頼した場合は1時間50,000円程度になることもあります。

スタジオは照明設備や背景などの撮影に必要な機材が揃っているので、高いクオリティの写真を期待できます。

出張撮影

出張撮影とは、指定した場所に来てもらって、撮影を依頼するサービスです。料金相場は1時間あたり10,000円～50,000円程度。商品やブランドイメージに合った場所で撮影できることがメリットです。交通費や機材費のほかに、移動時間や撮影準備のための時間も加味した上で判断しましょう。

商品撮影の代行を利用するメリット

撮影代行を利用するメリットは以下の3つです。

• 商品画像の品質が向上する
• 撮影の手間が無くなる
• 依頼を通じて撮影ノウハウが得られる

それぞれについて解説します。

商品画像の品質が向上する

撮影代行を利用することで、ECサイトに掲載する商品画像が魅力的に仕上がります。なぜなら、プロのカメラマンが高度な技術と豊富な経験をもとに商品を撮影するからです。ECサイトでは、消費者が実際に商品を手に取れないので、商品の魅力を伝えるためにもプロによるクオリティの高い写真が欠かせません。写真を通じて商品の詳細や質感を視覚的に伝えることで、具体的なイメージをもってもらい、購入につなげましょう。

撮影の手間が無くなる

撮影を委託することで、限られたリソースを適切に配分することが可能です。ECサイトを運営する上で行わなければならない業務は多岐にわたり、商品撮影だけに時間をかけているとほかの業務が滞ります。商品撮影を外注することで手間を省き、全体の業務を効率化できます。

依頼を通じて撮影ノウハウが得られる

プロの撮影チームからノウハウを得ることで、自社で商品写真を撮影する際に写真のクオリティを向上させることが可能です。スタジオ撮影や出張撮影では、プロの撮影手法を身近で見られるので、ぜひ以下の点に着目してみてください。

• 照明の使い方
• 効果的な構図
• 商品が引き立つ背景

プロの仕事から効果的な撮影方法を学ぶことで、次回以降の撮影では、代行する費用を抑えられるかもしれません。商品の撮影をゴールにするのではなく、自社で撮影する際に、参考にできるポイントを探す視点をもって撮影に臨みましょう。

商品撮影代行のデメリット

メリットの多い撮影代行ですが、以下のようなデメリットがあります。

• 納品に時間がかかる
• イメージと違った仕上がりになる場合がある

それぞれについて解説します。

納品に時間がかかる

撮影代行を依頼する場合に発生する業務は以下のとおりです。

• 商品の発送業務（郵送撮影の場合）
• 商品の積み込み（スタジオ撮影の場合）
• 代行会社との打ち合わせ
• （必要に応じて）再撮影

もっとも時間がかかるのは再撮影です。時間的なロスを防ぐためには、打ち合わせの際に仕上がりのイメージを明確に伝えておきましょう。

また、カット枚数が多くなればなるほど撮影時間も長くなります。商品ごとに必要なカット枚数を事前に伝えておくことで、想定よりも時間がかかってしまった、ということがないようにしましょう。

イメージと違った仕上がりになる場合がある

代行会社に撮影を依頼すると、イメージしていた仕上がりと違うものが納品される可能性があります。事前の打ち合わせで完成イメージを共有できていなかったことが主な原因です。この場合、再撮影をせざるを得なくなるので、時間的にも費用的にも損失が大きくなります。このようなリスクを回避するためにも、事前に参考になる画像やイメージラフ（おおまかなイメージ画像）を代行会社に提出することが大切です。

商品撮影代行を選ぶ際のポイント

商品撮影を代行している会社は数多く存在します。以下の3つのポイントを参考にして代行会社を選びましょう。

• 料金体系
• 実績があるか
• どこまで代行を請け負っているか

それぞれについて解説します。

料金体系

代行会社を選ぶ際の重要な判断基準は料金です。適切に判断するためにも、料金相場を把握しておく必要があります。

撮影環境ごとの料金相場は以下を参考にしてください。

時計や雑貨などの小型の商品であれば、郵送撮影が適しているでしょう。一方、持ち運びの難しい大型の商品や繊細な商品の場合は、保管している場所に来てもらう出張撮影が適しています。調理風景や食事風景を写真に収めたい場合は、キッチンがある環境が必要になるためスタジオ撮影を選ぶとよいでしょう。

実績があるか

ECサイトの売上を最大化するためには、実績のある代行会社を選ぶことが不可欠です。なぜなら、実績のある撮影代行会社は、商品の魅力を最大限に引き出すための撮影技術を持っているからです。実績を見極める際は、社歴や顧客数、対応している業界などに着目してみましょう。

また、実績のある代行会社は実際に撮影した写真をホームページやSNSで公開しています。自社の商品やブランドイメージに適した写真を撮影できるかどうか判断しやすくなるので、撮影を依頼する前に必ずチェックしましょう。

どこまで代行を請け負っているか

代行会社を選ぶ際は、商品撮影以外の業務を委託できるかも確認しましょう。撮影以外の業務をプロに委託することで、業務を効率化し売上を最大化させることが可能です。実際に、撮影代行を行っている会社は、出品代行や集客プロモーション、問い合わせ対応などのサービスを提供しているケースがあります。人的リソースが足りない場合は積極的に委託することでスピーディに事業を拡大させていきましょう。

商品撮影代行業者5選

商品撮影の代行業者のおすすめ5選は以下のとおりです。

各社の特徴についてそれぞれ解説します。

株式会社バックス

画像引用：株式会社バックス

株式会社バックス（東京都）は、8つのキッチンスタジオを所有しており、食品撮影やレシピ動画、CM撮影に対応しています。プロのカメラマンだけでなく、フードコーディネーターも在籍しており、常に同じチームで撮影を担当。2,000点もの食器や小物、背景が無料で利用できることなどから、食品や料理を撮影する方におすすめの撮影代行会社といえます。

商品写真どっとコム

画像引用：商品写真どっとコム

商品写真どっとコム（群馬県）には、日本広告写真家協会会員のプロカメラマンが在籍しており、売りたい商品を売れる写真に撮ることをモットーに撮影してくれます。料金はホームページで明確に記載しており、基本料は無料で980円から依頼することが可能です。主に郵送撮影がメインですが、出張撮影にも対応しています。実績ギャラリーには2,500点超の写真が公開されているので、ぜひチェックしてみてください。

boutique star

画像引用：boutique star

boutique starは株式会社ブティックスター（東京都）が運営するファッション分野に特化したECサイト向け撮影サービスです。クライアントには、著名な企業が名を連ねており、その実績を物語っています。

撮影代行だけでなく、ECサイトの構築やコンサルティング、コールセンター業務などを委託することも可能です。無料相談を行っているので、ファッション分野でECサイトを運営している方やこれから立ち上げを予定している方は問い合わせてみてはいかがでしょうか。

ごえん株式会社

画像引用：ごえん株式会社

ごえん株式会社（岩手県）はECサイトの運営や企画、コールセンター代行を行う企業です。得意ジャンルの1つがブランドバッグや小物など。アパレルはマネキン撮影にも対応しています。現在、販促ツールとして欠かせないインスタグラムなどのSNSにも対応しており、商品撮影だけでなく、投稿までワンストップで依頼できます。

また、撮影点数が多ければ多いほど料金単価が減額されるプランもあるので、大量に商品在庫がある場合などもおすすめです。

豊彩

画像引用：豊彩

豊彩株式会社（京都府）では専属のプロカメラマンがECサイト用の写真撮影を担当。「業者に任せたらイメージしていた写真と違う仕上がりになった」ということがないように、丁寧なヒアリングを心がけています。社内に常設しているスタジオでの撮影だけでなく、出張撮影にも対応しています。また、ECサイトの立ち上げといった負荷が高い業務から商品登録などの軽微な業務まで幅広く委託することが可能です。

商品撮影代行を依頼してECサイトを盛り上げよう

ECサイトの商品撮影代行について解説しました。ECサイトでは、商品写真が売上を左右するといっても言い過ぎではないでしょう。ノウハウがない状態で自社で撮影した場合、時間がかかるだけでなく、完成した写真の仕上がりもイマイチになってしまうおそれがあります。効率的に売上の最大化を目指すためにも、プロに任せてクオリティの高い写真を撮影してもらいましょう。

なお、ECサイト制作会社の探し方・選び方がわからない！という方はEC幹事にお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算に合った最適な会社を厳選してご紹介します。相談料・会社紹介料などは無料です。