ECサイトの保守とは?保守の役割・重要性・作業内容や保守費用の目安を解説!

ECサイトの保守とは?保守の役割・重要性・作業内容や保守費用の目安を解説!

構築したECサイトを運営していくには保守が必要だと聞いた。しかし、具体的になにをするのか?費用がどのくらいかかるのか?保守のことはよくわからない。

そんなEC担当者の方に向け、役割・重要性・作業内容から保守費用の目安まで、ECサイト保守に関する基礎知識を解説していきます。

なお、ECサイト運用代行会社の探し方・選び方がわからない!という方はEC幹事にお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算に合った最適な会社を厳選してご紹介します。相談料・会社紹介料などは無料です。

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目次
  1. 1. ECサイトの保守とは
    1. 1-1. ECサイト保守とセットで実施する「運用」
    2. 1-2. ECサイト保守 / 運用の重要性
  2. 2. ECサイト保守の作業内容
    1. 2-1. トラブル・不具合の原因究明・修正・復旧
    2. 2-2. ECシステム(サイト)の改善提案・実施
    3. 2-3. ECシステム(サイト)のアップデート
  3. 3. ECサイト構築方法によっては保守が不要なことも
    1. 3-1. ECモールと自社ECサイト
    2. 3-2. 自社ECサイトの構築方法
    3. 3-3. 保守が必要なのはオンプレミス型自社ECサイト
  4. 4. ECサイトの保守費用目安
    1. 4-1. MSPとは
  5. 5. ECサイト保守について解説しました

ECサイトの保守とは

ECサイトの保守とは、万一のトラブル・不具合が発生したときに原因を究明して修正し、ECサイトを復旧させること。最新のソフトウェアにアップデートすること、ECサイトを安定的に稼働させる改善策の提案・実施もECサイト保守の領域です。

つまり、トラブルによるダウンタイムを最小限にとどめること、トラブルが発生しないようにECサイトを改善することが保守の役割。ソフトウェアとしてのECサイトだけでなく、サーバ / スイッチ / ネットワークなどのハードウェアを含む、システム全体のメンテナンスを保守が受け持ちます。

ECサイト保守とセットで実施する「運用」

ECサイトを安定的に稼働させていく役割を持つ「保守」ですが、「運用」とセットで実施することが一般的です。ECサイト運用とは、ECシステム(ECサイト)の稼働状況を監視し、トラブルを未然に防ぐための軽微なメンテナンスを実施すること。トラブル発生時に、保守へ橋渡しするのも運用の役割です。

つまり、トラブルを未然に防ぐため、ECサイトを監視 / メンテナンスし、万一の場合は保守へ引き継ぐことが運用の役割。それぞれが切り離せない関係性にあるため「ECサイト運用保守」と呼ばれる場合もあります。

ECサイト保守 / 運用の重要性

ECサイト運営における「保守」「運用」それぞれの役割を把握できれば、その重要性も理解できるはずです。

ソフトウェアはエラーを起こすものであり、サーバを含むハードウェアも障害発生の可能性があります。それはWebシステムとしてのECサイトも同じ。保守 / 運用がなければ、万一のトラブルの場合「だれも障害に気が付かない」「ストップしたECサイトを復旧できない」のです。

ECサイトの構築を検討する段階から「保守 / 運用はどうなっているのか?」を念頭におき、予算を確保しておくことが重要です。

ECサイト保守の作業内容

役割・重要性を把握できたところで、ECサイト保守 / 運用の具体的な作業内容を簡単に解説しておきましょう。以下は、それぞれの作業内容を表にまとめたものです。

 

作業内容

概要

ECサイト運用

システム監視

ソフトウェア / ハードウェアの

稼働状況を監視

セキュリティパッチ適用

OS / ミドルウェアに最新の

セキュリティパッチを適用

サーバ再起動

キャッシュをクリア

データバックアップ

万一に備えた定期バックアップ

保守へのエスカレーション

手順書に従って保守・責任者に

対応を要請

ECサイト保守

トラブル・不具合の原因究明

責任者と連携しながら

障害の原因を調査

トラブル・不具合の修正・復旧

特定した障害の原因を修正して

ECサイトを復旧

システム(OS)アップデート

システムアップデートで

セキュリティリスクを最小化

システムの改善提案・実施

障害を受けてシステムの改善策を

提案・実施

このうち、システム監視、バックアップなどの運用作業は、ツールを活用した自動化が進められている領域。一方の保守作業は、まだまだ人の手を必要とするのが現実です。もう少し、保守作業について補足説明しておきましょう。

トラブル・不具合の原因究明・修正・復旧

保守作業でもっとも重要なのが、トラブル・不具合発生時の原因を究明し、ECサイトを速やかに修復・復旧させること。運用担当者からトラブル・不具合の報告を受けた保守担当者は、システム管理者と連携を取りながら以下の手順で復旧に取り掛かります。

  • システムログをチェックし、障害の生じている範囲、発生日時を特定
  • 障害の原因を特定し、対応策を決定
  • システム管理者に報告し、対応策の実施を打診
  • ECサイトの修復・復旧

ECシステム(サイト)の改善提案・実施

ECサイト / システムに発生した障害の原因によっては、トラブル・不具合が再発する可能性が残ります。なによりも修正・復旧が優先されるECサイト保守ですが、トラブル・不具合の再発を防止することも保守の重要な役割

システム管理者と協議しながら、障害発生の要因を抜本的に取り除くシステム改善策を提案・実施します。

ECシステム(サイト)のアップデート

ECサイトのプラットフォーム(土台)となるOS / ミドルウェアをアップデートし、システム全体を最新の状態に保つことも保守の重要な業務。セキュリティ対策を強化した最新版に更新することにより、ソフトウェアの脆弱性を狙った外部攻撃を未然に防ぐためです。

近年では、アップデートされるまでのタイムラグを狙った「ゼロデイ攻撃」が頻発しているため、ECサイトの安全性を担保する意味でも重要な作業です。

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ECサイト構築方法によっては保守が不要なことも

ここまでで、ECサイト保守 / 運用の重要性、それぞれの具体的な作業内容を解説してきましたが、ECサイトの構築方法によっては「保守 / 運用が不要」な場合もあります。

ECモールと自社ECサイト

ネットショップを開業する方法は、大きく「ECモールへ出店」「自社ECサイトを構築」の2つ。ECモールとは、楽天市場などに代表される仮想ショッピングモールのことです。

具体的には、自社ネットショップを出店するため、ECモールという巨大な「ECプラットフォーム」の一部スペースをレンタルする方法です。ネットショップ運営に必要な機能があらかじめ用意されているため、最小限の設定と商品を登録するだけで気軽に開業できることが特徴。プラットフォームの保守・運用はECモール事業者が担当します。

つまり、ECモールへ出店するのであれば、ECサイトの保守 / 運用を意識する必要はありません

ECモールについては以下の記事もあわせてご覧ください。

関連記事:ECモールとは?特徴・種類・自社ECサイトとの違い・主要ECモールを紹介!

自社ECサイトの構築方法

一方の自社ECサイトとは、自社ドメイン(インターネットの住所に該当)を取得して構築 / 運営する独自ネットショップのこと。ECモールがショッピングモールのテナントだとすれば、自社ECサイトは個別の路面店だと考えればわかりやすいでしょう。

自社ECサイトを構築する方法は、大きく以下の5つです。

構築方法

特徴

構築費用の目安

ASP

ベンダーがクラウド環境に構築した

ECプラットフォームを利用

初期費用:無料〜数万円

月額費用:数千円〜2万円前後

クラウドEC

ASPと同様、SaaSで提供されるが

カスタマイズの自由度が高い

初期費用:無料〜10万円

月額費用:5,000円〜20万円

オープンソース

無料のEC構築ソフトウェアでECサイトを構築。

サーバ環境は自社で用意

プログラム自体は無料

レンタルサーバ:月額数千円〜数万円

ECパッケージ

EC構築パッケージを購入してECサイトを構築。

サーバ環境は自社で用意

パッケージ費用:150万円〜

サーバ:導入形態による

フルスクラッチ

ゼロからECサイトを開発する。

サーバ環境は自社で用意

開発費用:500万円〜

サーバ:導入形態による

ECサイトの作り方については以下の記事もあわせてご覧ください。

関連記事:ECサイトの作り方|作り方の種類・特徴・費用感・選び方・開業手順を解説!

保守が必要なのはオンプレミス型自社ECサイト

自社ECサイトを構築する方法のうち、「ASP」「クラウドEC」には、クラウド環境に構築されたECプラットフォームを利用するという共通点があります。どちらでECサイトを構築するにしてもプラットフォーム管理はベンダーの責任となるため、事業者は保守 / 運用を意識する必要はありません

つまり、保守 / 運用が必要なのは、「オープンソース」「ECパッケージ」「フルスクラッチ」で構築される「オンプレミス型自社ECサイト」です。この場合のオンプレミスは「自社構内設置型」「AWSなどのパブリッククラウド」「レンタルサーバ」すべてを含みます。

選択するプラットフォーム環境に応じて「保守 / 運用の範囲」は異なるものの、オンプレミスで自社ECサイトを運営するなら「保守 / 運用は必須」だと考えておきましょう。

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ECサイトの保守費用目安

それでは、ECサイトの保守 / 運用費用にどのくらいの予算を確保しておけばいいのか?目安を知っておきたいEC担当者の方に向け、少し補足説明しておきましょう。

オンプレミス型ECサイトを構築する場合は、ECサイトの構築および、構築後の保守 / 運用を同じEC開発会社に依頼することが一般的。こうしたケースの保守費用目安は「ECサイト構築費用の15%前後」です。たとえば、ECサイト構築費用に200万円かかるのであれば、年間の保守費用は約30万円前後、という計算が成り立ちます。

MSPとは

ただし、EC制作会社のメイン業務は、あくまでも「ECサイト構築」です。「保守サービスをもっと充実させたい」「必要な保守サービスだけ任せたい」といったニーズに対応できるとは限りません。こうした場合の選択肢となるのが「MSP(Managed Service Provider)」です。

MSPとは、ECサイトを含む「システム保守 / 運用」に特化したサービスを提供する事業者のこと。パブリッククラウドはもちろん、構内設置型オンプレミスサーバの保守 / 運用にも対応し、ニーズに応じて保守メニューを選択できることもポイント。現在の保守 / 運用に不満のある方であれば、一度相談してみることをおすすめします。

ECサイト保守について解説しました

構築したECサイトを運営していくには保守が必要だと聞いた。しかし、具体的になにをするのか?費用がどのくらいかかるのか?保守のことはよくわからない。そんなEC担当者の方に向け、役割・重要性・作業内容から保守費用の目安まで、ECサイト保守に関する基礎知識を解説してきました。

ASP / クラウドECの利用が拡大したことで、あまり保守 / 運用を気にする必要がなくなったことは事実です。しかし、事業者が意識する必要はなくても、保守 / 運用はECサイトに欠かすことのできない重要な要素。保守 / 運用とはなにかを理解しておくことが肝心です。

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