拡大を続ける巨大市場!アメリカの越境ECの魅力とポイントを解説!

拡大を続ける巨大市場!アメリカの越境ECの魅力とポイントを解説!

自社の売上を伸ばす方法を探しているEC担当者は多いかと思います。そこでおすすめなのがアメリカへの越境ECです。アメリカは中国と並んで巨大なEC市場を形成しており、日本製品の需要も高いため狙い目といえます。

本記事では、アメリカ越境ECの魅力や参入方法、ポイントなどを解説しています。ぜひご活用ください。

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目次
  1. 1. アメリカのEC市況
    1. 1-1. アメリカECは2027年に200兆円市場へ
    2. 1-2. アメリカのEC化率は世界的に見ても高い
    3. 1-3. トップシェアはAmazon
    4. 1-4. 商材別のEC市場規模
    5. 1-5. 越境ECにおける消費者の購買心理
  2. 2. アメリカで代表的なEC
    1. 2-1. Amazon
    2. 2-2. Walmart
    3. 2-3. eBay
    4. 2-4. Shopify
  3. 3. 【プラットフォーム別】アメリカ越境EC市場への参入方法
    1. 3-1. 1. Amazonで参入する
    2. 3-2. 2. Walmartで参入する
    3. 3-3. 3. eBayで参入する
    4. 3-4. 4. Shopifyで参入する
  4. 4. アメリカ越境ECのポイント4つ
    1. 4-1. 商材の関税を知る
    2. 4-2. 決済はPayPalなど主流のサービスを導入する
    3. 4-3. KOLを活用する
    4. 4-4. 商品を安全・確実に届ける配送サービスを使う
  5. 5. アメリカ越境ECで注意するべき制度
    1. 5-1. EC法「OECD」ガイドライン
    2. 5-2. FDAルール
    3. 5-3. マーケティング規制
  6. 6. 【まとめ】アメリカ越境ECについて紹介しました

アメリカのEC市況

まず、アメリカの越境EC市況を確認しておきましょう。アメリカのEC市場は年々拡大を続けており、その影響は越境ECにも及んでいます。

拡大を続ける巨大市場!アメリカの越境ECの魅力とポイントを解説!_3

(参考:Statista)※2023年8月現在の為替レートで換算

アメリカECは2027年に200兆円市場へ

ドイツの調査会社Statistaが2023年に発表した調査結果によれば、アメリカのEC市場規模は2022年時点で約110兆円です。2017年からの推移を見ても、市場規模は右肩上がりで成長を続けているのがわかります。さらに2027年までの予測を見れば、市場規模は200兆円にまで成長すると考えられています。

また経済産業省が2021年に発表した「電子商取引に関する市場調査」では、日本からアメリカに越境EC(BtoC)で輸出された総額は約1.2兆円となっており、今後も拡大が期待できるでしょう。ちなみに、日本国内のEC市場規模は約13.3兆円です。国内市場と比較してもアメリカ越境ECが決して小さい市場ではないことがわかると思います。

アメリカのEC化率は世界的に見ても高い

EC化率は国内の商取引金額とEC取引金額の割合から算出されます。「電子商取引に関する市場調査」によれば、2021年におけるアメリカのEC化率(BtoC)は13.2%と、世界的に見ても高い傾向(日本は8.78%)

EC化率が伸びた背景としては、新型コロナウイルス感染症の影響が挙げられます。外出を控えた人々の多くがECを利用して買い物をするようになり、ユーザーが一気に増加しました。今後もこの傾向は続くでしょう。

トップシェアはAmazon

アメリカで人気のECモールを見ると、1位Amazonが圧倒的なシェアを取っています。以下はアメリカのEC小売業のトップ10をまとめたものです。

ECモール

シェア率

Amazon

37.8%

Walmart

6.3%

eBay

3.9%

Target

2.1%

The Home Depot

2.1%

Best Buy

1.6%

Costoco

1.6%

Carvana

1.5%

Knoger

1.4%

Wayfair

1.1%

(引用元:Statista

こうしてみると、Amazonの圧倒的優位が目立ちますが、今後も同じ状況が続くとは限りません。Amazonは数年前までシェアの半分近くを占めていましたが、年々シェアは下落傾向にあるからです。近年ではGoogleショッピングや、Shopifyも注目されています。

商材別のEC市場規模

商材

EC市場規模

(億ドル)

前年比

EC化率

衣類・雑貨

1,505

13.5%

11.9%

家具、建材、電子機器

1,109

1.1%

13.4%

車・車用品  

650

30.8%

4.2%

その他  

629

10.0%

2.8%

無店舗型販売

4,816

16.4%

65.5%

合計

8,708

14.2%

13.2%

(引用元:経済産業省

上記は、2021年の商材別EC市場規模を表したものです。商材別で見ると「衣類・雑貨」が最多となっています。前年比では「車・車用品」が大きく伸びている点も見逃せません。EC化率に目を向けると「家具、建材、電子機器」が高いのがわかります。越境ECでどのジャンルを選ぶかは成功するかどうかを分ける大きな要因となるため、しっかりと見極めましょう。  

越境ECにおける消費者の購買心理

消費者はどのような購買心理で越境ECを利用しているのかを見ていきます。以下が主な要因です。

  • 越境ECの認知度の上昇
  • 自国にはない商品への取得欲求
  • 自国よりも安価に入手できるものがある
  • 商品やメーカーに対する信頼性

従来は、自国にない商品を購入する場合は輸入業者や個人輸入に頼らざるをえませんでした。しかし越境ECが盛んになったことで、誰でも手軽に国外の商品を購入できるようになったといえます。

ほかにも、企業駐在員の家族が日本の商品を買い求めるという消費行動も考えられます。越境ECは多様なニーズに応えるプラットフォームになりつつあるのです。

アメリカで代表的なEC

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Amazon

世界中にユーザーを抱えるAmazonは、アメリカのシアトルに本社を置く大手ECサイトです。アメリカではもともと書籍の通販事業からスタートしましたが、圧倒的な品揃えと価格の安さ、注文してからすぐに配送されるという便利さを背景に日本でもシェアを拡大しました。

越境ECでは「Amazonグローバルセリング」を利用することで、個人でもAmazonプラットフォーム上で商品の売買が可能になります。

Walmart

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(画像引用元:Walmart

アメリカのアーカンソー州に本拠地を置く大手スーパーマーケットチェーンです。大幅なディスカウントと豊富な品揃えが特徴で、スーパーマケットでは売上額で世界トップクラスの企業としても知られています。オンラインストアも展開しており、アメリカ国内でも多くの利用者がいるECモール
です。

Walmartで越境ECをする場合は「Walmartマーケットプレイス」を利用すれば、簡単に事業を開始できます

eBay

インターネットオークションサイトとして世界的に人気のeBayは、アメリカのカリフォルニア州に本拠地を置く企業です。190か国に展開しており、日本からでも海外の商品を仕入れられるということで人気になりました。日本国内ではYahoo!オークションやメルカリが有名ですが、海外製品を探す場合はeBayを利用する人も多いでしょう。

日本からアメリカに越境ECをする際にもeBayは有効です。個人・法人のどちらでもアカウントを開設できます。

Shopify

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(画像引用元:Shopify

Shopifyはカナダのオタワに本拠地を置くeコーマス企業です。すでに全世界175か国のストアでShopifyは利用されています。Shopify自体はAmazonやWalmartのようなECモールではなく、自社ECサイトを手軽に構築できるECプラットフォームです。

一昔前では、ECサイトを自前で構築するのは多額の費用と時間が必要でした。Shopifyを使えば、設定をするだけで簡単にECサイトを構築できてしまいます。デザインテンプレートも豊富でShopifyアプリを使えば細かいカスタマイズもできてしまうので、自社ブランドをアピールしたい企業に適しています

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【プラットフォーム別】アメリカ越境EC市場への参入方法

ここからは、各プラットフォームごとにアメリカで越境EC市場へ参入する方法を見ていきます。

1. Amazonで参入する

Amazonで越境ECをするのであれば、選択肢は以下の2つです。

  1. Amazonグローバルセリングから販売する
  2. アメリカのAmazon.comから販売する

Amazonグローバルセリングは、日本からアメリカ(ヨーロッパ、アジアなどにも対応)に向けて商品を販売できるサービスです。Amazonグローバルセリング用のアカウントを用意し、地域や商品を登録するだけで販売開始できます

アメリカのAmazon.comから販売する方法では、日本のアカウントではなくアメリカのアカウントを作成します。手続きとしては

  • 海外銀行口座を開設する
  • アメリカのAmazonアカウントを開設する

の2つが必要です。海外銀行口座を開設するのが難しい場合は海外銀行口座レンタルサービスを利用すると、難しい手続きなしで開設できるのでおすすめです。

2. Walmartで参入する

Walmartで越境ECをするには「Walmartマーケットプレイス」への登録が必要です。登録には以下の手続きがあります。

  1. ビジネス納税者番号(SSNは不可)またはビジネスライセンス番号
  2. 会社名と住所を証明する書類
  3. マーケットプレイスまたはeコマースの経験
  4. 商品識別コード(GTIN/UPC GS1)を持つ製品
  5. ウォルマート禁止商品ポリシーに準拠したカタログ
  6. Walmart Fulfillment Services(WFS)または返品機能を備えた別のB2C米国倉庫を介した配送サービス

必要書類さえ揃っていれば登録自体は数分で完了します。アカウント設定が終わったら商品を登録し、越境ECをスタートできます。

3. eBayで参入する

 eBayで参入するのも、基本的にはアカウントを作成するだけです。eBayのアカウントは個人アカウントと法人アカウントがあります。

「越境ECが初めてで不安」という方には、公式から「eBay販売サポート」サービスが用意されています。豊富な越境ECマニュアルやセミナー情報も利用できるのでおすすめです。問い合わせにも日本語で24時間対応しているので心強い味方になるでしょう。

4. Shopifyで参入する

Shopifyで参入する場合、ECサイトをShopifyで構築することになります。Shopifyは誰でも簡単にECサイトを構築できますが、細かいこだわりを表現しようとするなら業者に依頼することをおすすめします。

Shopify構築パートナーについて詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。

関連記事:Shopify構築パートナーとは?おすすめ9社を紹介

アメリカ越境ECのポイント4つ

拡大を続ける巨大市場!アメリカの越境ECの魅力とポイントを解説!_6

商材の関税を知る

越境ECは、日本の商品を国外に輸出して販売するという性質上、関税が発生します。日本から商品を発送する場合は適切な輸出申告を行っておかないと、スムーズに通関できなくなり、商品の到着が遅延する恐れがあります。

また、関税は商品によって変動するため一律ではありません。関税の品目は、HSコードで分類されており、商品ごとに確認する必要があります。HSコードとは、商品を輸出入する際に各国が混乱しないように定められた国際ルールです。関税制度は国によって異なりますので、具体的な関税を調べたい場合はアメリカ関税率表を参照してください。

決済はPayPalなど主流のサービスを導入する

主要な決済手段をカバーするのは、越境ECを成功させる上で重要なポイント。ユーザーは、自分が使い慣れている決済手段がないと離脱してしまう恐れがあります。

アメリカの場合は、クレジットカード払いはもちろんのこと、デビットカード払いやPaypalも人気です。日本ではあまり人気がない決済手段でも、アメリカでは主流なこともあるので注意しま
しょう。

KOLを活用する

KOL(Key Opinion Leader)とは、多くのフォロワーを抱えるYoutuberやインフルエンサーのこと。KOLに依頼して自社製品を紹介してもらうことで、ファンに興味を持ってもらえます。

たとえば、日本のアニメやゲームなどの限定品を、アニメ・ゲーム系KOLに紹介してもらう戦略が考えられます。とくに、日本でしか手に入らないグッズは越境ECとの相性がよく、KOLが紹介することで製品に対する信頼性も上がる仕組みです。

Youtubeであれば、コンテンツは長期で閲覧されるため、マーケティング資産として長く運用可能です。最初から登録者数100万人レベルの大物Youtuberと提携するのは難しいので、10万人レベルから交渉するのがおすすめです。

商品を安全・確実に届ける配送サービスを使う

海外に商品を発送するのであれば、信頼性の高い配送サービスを利用するのがおすすめ。購入者に商品が届かないと、自社の信用に傷がついてしまいます。

日本国内から利用しやすいのは国際郵便EMS(国際スピード郵便)です。国際郵便EMSは、世界120か国に対応しており、2〜9日という短期間で配送が可能。トラッキングサービスや補償サービスも充実しています。

料金は公式サイトから確認してください。

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アメリカ越境ECで注意するべき制度

拡大を続ける巨大市場!アメリカの越境ECの魅力とポイントを解説!_2

EC法「OECD」ガイドライン

EC法「OECD」ガイドラインとは、ECにおいて消費者にとって使いやすく、安全な取引を実現するために策定されたガイドラインのこと。アメリカで越境ECを考えているのであれば、ガイドラインを遵守した運営を心がける必要があります。ガイドラインでは以下の項目について規制と保護が明記されています。

  1. 透明かつ効果的な保護
  2. 公正なビジネス、広告及びマーケティング慣行
  3. オンライン上の情報開示
  4. 確認プロセス
  5. 支払システム
  6. 紛争解決と救済
  7. プライバシーとセキュリティ
  8. 教育、認識、デジタル能力

上記のガイドラインを守っていないとされてしまうと、消費者からの信用喪失や売上減少につながる恐れがあります。利用規約にはガイドラインに則した内容を明記しましょう。

FDAルール

FDA(Food and Drug Administration)は、アメリカ市民が消費する食品や医薬品、化粧品などに対してルールの策定や監視・取り締まる機関です。FDAルールは消費者を守るためのルールであり、違反すればペナルティが課される可能性があります。

アメリカで越境ECをする場合、該当商品を取り扱うのであればFDA認証を取得します。FDAルールに該当するのは以下のとおり。

  • 食品・飲料
  • 化粧品
  • 医薬品
  • 医療機器(メディカルデバイス)
  • 放射線機器

FDAは取り扱う商品によって取得方法が異なるため、FDA取得代行業者に依頼することをおすすめします。

マーケティング規制

アメリカには消費者を守るために様々なマーケティング規制が設けられています。

  • 環境への配慮を謳った宣伝には科学的根拠が必要
    SDGsなどで環境への配慮を謳った広告の場合、科学的な根拠を示す必要があります。たとえば、二酸化炭素の削減効果やリサイクル施設の利用可能範囲などは、数値や有効範囲を明記するように指示しています。
  • インフルエンサーコラボは関係性を開示する
    自社の商品をインフルエンサー(KOLも含む)とコラボする場合、広告主とインフルエンサーとの関係性を開示する必要があります。
  • 健康に関する宣伝には証拠が必要
    食品、栄養補助食品、コンタクトレンズ、市販薬など、健康に関する宣伝をする場合、明確な根拠を示す必要があります。
  • 子ども向けの宣伝には正確な情報を記載する
    子ども向けの商品の場合、広告に誤解を生むような表現を含むことは禁じられています。また、子ども向けの食品は、小児肥満を是正するため別途ガイドラインが規定されています。

【まとめ】アメリカ越境ECについて紹介しました

越境ECをするのであれば、アメリカはぜひとも検討したい魅力的な市場です。アメリカではAmazonが圧倒的なシェアを誇っていますが、WalmartやeBayなどのECも力をつけてきており商材やターゲットによっては選択肢に入るでしょう。

しかし、各種規制や登録方法などは専門家に依頼しないと進めにくい点もあります。効率的に進めたいのであれば、越境ECのサポートサービスも視野に入れてみてはいかがでしょうか。

なお、ECサイト制作会社の探し方・選び方がわからない!という方はEC幹事にお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算に合った最適な会社を厳選してご紹介します。相談料・会社紹介料などは無料です。

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