ECサイトの成功事例10選!立ち上げ方法や戦略についても解説
ECサイトの立ち上げを考えているが、どのように構築・運用すれば成功するのかがわからないという方も多いと思います。
本記事では、ECサイトの成功事例10選から成功した理由や行った施策を紹介していきます。また、立ち上げ方や戦略についても解説していくのでECサイトを立ち上げる際の参考にしてください。
なお、ECサイト制作会社の探し方・選び方がわからない!という方はEC幹事にお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算に合った最適な会社を厳選してご紹介します。相談料・会社紹介料などは無料です。
ECサイトとは
ECサイトとは、インターネットを通じてサービスや物を提供しているサイトの総称です。Amazonや楽天などの通販サイトをイメージすると分かりやすいかもしれません。ECはElectronic Commerceの略で、日本語に訳すと電子商取引です。
ECサイトは大きく分けると「Amazonや楽天などに間借りする形のモール型」と「自社で1から構築する自社サイト型」の2つに分けられます。
自社で構築する場合は決済システムやセキュリティ、利用者を集める導線などを自前で用意する必要があり、モール型に比べて難易度が高くなりがちです。
ECサイトの消費者向け国内市場は拡大している
経済産業省の統計によると、令和3年の国内BtoCでのEC市場規模は、20.7兆円(前年19.3兆円、前々年19.4兆円、前年比7.35%増)に拡大しています。また、令和2年の日本国内のBtoBでのEC市場規模は372.7兆円(前年334.9兆年、前々年353.0兆円、前年比11.3%増)に増加しています。
上記の数字からも分かる通り、国内のECサイト市場規模はBtoB・BtoCともに拡大し続けている市場です。コロナ禍により旅行系のサービス分野の市場規模が減少した影響で2020年のBtoCのEC市場規模が一時的に縮小していますが、物販・デジタル分野は縮小していません。特に全体の50%以上を占める物販の市場規模が伸び続けています。
参照:経済産業省Webサイト
物販系分野のEC市場規模
物販系分野の分類別のEC市場規模は以下の表の通りです。
2019年 |
2020年 |
2021年 |
|
食品・飲料・酒類 |
1兆8,233億円 |
2兆2,086億円 |
2兆5,199億円 |
生活家電・AV機器・PCなど |
1兆8,239億円 |
2兆3,489億円 |
2兆4,584億円 |
書籍・映像・音楽・ソフトなど |
1兆3,015億円 |
1兆6,238億円 |
1兆7,518億円 |
化粧品・医薬品 |
6,611億円 |
7,787億円 |
8,552億円 |
生活雑貨・家具・インテリア |
1兆7,428億円 |
2兆1,322億円 |
2兆2,752億円 |
衣類・服装雑貨 |
1兆9,100億円 |
2兆2,203億円 |
2兆4,279億円 |
自動車・自動二輪車など |
2,396億円 |
2,784億円 |
3,016億円 |
その他 |
5,492億円 |
6,423億円 |
6,964億円 |
物販系分野の市場規模は「食品・飲料・酒類」「生活家電・AV機器・PCなど」「衣類・服装雑貨」「生活雑貨・家具・インテリア」の割合が大きくなっています。これらの上位3カテゴリ全てが2兆円を超えており、合計すると物販分野の73%を占めるほどの市場規模です。
参照:経済産業省Webサイト
ECサイトの成功事例10選を紹介
1.株式会社キングジム
具体的に行った施策
- 自動集客ツールを導入
- ECコンサルタントに依頼
- 自社サイトでの販売を主体とした
具体的な成果
- 絞り込み検索機能を付け、商品を探しやすいECサイトに改善
- 前年比でおよそ200%前後売り上げを伸ばすことに成功
ECサイトへの誘導を行っていなかったWebサイトに購入ボタンを設置したことにより、売り上げが増加。商品を探しやすくするために、絞り込み検索機能を実装しました。また、予約販売も導入。結果として、前年比でおよそ200%売り上げを伸ばしています。
参照:Web幹事
2.株式会社ラソ・シエル
画像引用:株式会社ラソ・シエル(tesoro online store)
具体的に行った施策
- 自動集客ツールを導入
- ECコンサルタントに依頼
- 自社サイトでの販売を主体とした
具体的な成果
- 直接的な売上寄与だけではなく、ブランドの認知アップにも繋がった
- 検索エンジンからショップへ流入するユーザーが増加
そのほか、直接的な売り上げへの寄与ではないもののブランドの認知アップ効果も出ており、検索エンジンからの検索流入も増加しました。立ち上げたばかりのブランドにおいて重要な課題である「認知」にも貢献しています。
参照:.COREKARA
3.株式会社日進商会
画像引用:株式会社日進商会(MAJUN OKINAWAオンラインストア)
具体的に行った施策
- ECサイトの全面改修を行った
- 自社サイトの商品カテゴリを整理
具体的な成果
- 売り上げが3年で2倍に
ECサイトをリニューアルした結果、売り上げが毎年20~30%成長しています。3年目にはトータルの売り上げが2倍になりました。商品カテゴリを整理したことや複数色ある場合に全カラー掲載することで商品が見つけやすいECサイトになったため、不要な問合せを減らす効果も出ています。
参照:.COREKARA
4.株式会社ヤマサコウショウ
具体的に行った施策
- 買いたいものにすぐたどり着けるようなバナーやアイコンの設置
- 自社ブログを作成した
具体的な成果
- 売り上げが半年で1.3倍アップ
そのほか、Web広告との連動の影響で初めて購入する顧客の獲得にも成功しました。また、売れ筋以外の商品の購入数も増加しています。
参照:.COREKARA
5.株式会社ロンヨンジャパン
画像引用:株式会社ロンヨンジャパン(SY32 BY SWEETYEARS)
具体的に行った施策
- メルマガ配信
- サイトのトップページ、一覧ページにカラーバリエーションを表示
- Amazon Payの導入
具体的な成果
- 導入した初月に昨対比で売り上げが300%UP
メルマガ配信は、読まれやすいとされている12時・18時以降に配信。また、カテゴリごとの特集ページを作成しECサイト内の回遊性を高めました。そのほか、購買意欲を高めるための施策として商品の人気ランキングなども作成しています。
参照:.COREKARA
6.河淳株式会社
具体的に行った施策
- 販促施策の実施
- WEBページ改善
具体的な成果
- 月間売上高が実施前と比べて約3倍に拡大
ECサイト運営の知見が社内になかったためコンサルティングサービスに依頼。販促施策の実施やWebサイトの改善などを経て、3年間で月間売上高を約3倍まで拡大しました。
参照:itsumo.
7.株式会社吉野家
画像引用:株式会社吉野家(公式通販ショップ)
具体的に行った施策
- 広告運用の改善
- Amazon内のWEBページ改善
具体的な成果
- 月商が前年同月比約150%に増加
コンサルティングサービスを利用し、Amazonの仕組みに合わせた施策を実行しました。Amazonでは、同じ商品を販売している企業が複数ある状態で「カートに入れる」ボタンを押すと、Amazonに選ばれている企業が自動的に選択される仕組みがあります。
出品元を手動で選ぶこともできますが、出品元を気にしない購入者も多くいます。そのため「カートを入れる」ボタンが押されたときにAmazonに選ばれるための施策が必要になります。このケースでは、その仕組みに対応する施策をして自社が優先的に選ばれるようにして、売り上げを増やすことに成功しました。
参照:itsumo.
8.株式会社花助
画像引用:株式会社花助(CELEBRATE LIFE HANASUKE)
具体的に行った施策
- 検索エンジン対策
- メルマガ施策
- リスティング広告のキーワードを改善
具体的な成果
- 自社EC売上高が前年同月比128%に拡大
自社ECサイトのSEO対策やページの改善を行った結果、2022年11月の売り上げが前年同月比128%まで拡大しました。そのほか、リスティング広告で使用していたキーワードを改善し、ターゲット層へのリーチを拡大したことも成功の要因になっています。
メルマガ経由の売り上げが前年同月比で358%、検索エンジン経由の流入数が前年同月比で125%と大きな成果が出ました。
参照:itsumo.
9.株式会社クロスロード
画像引用:株式会社クロスロード(あしながおじさん/çava çavaオンラインショップ)
具体的に行った施策
- 検索表示の最適化
- リスティング広告の運用
- ECコンサルタントに依頼
具体的な成果
- 年間売上高が前年比157%に拡大
ECコンサルタントに依頼し、検索表示の最適化やリスティング広告の運用、ECサイトのページ改善などに取り組み、売り上げを前年比157%まで拡大。SEO対策では商品ページのタイトルを見直し、ディスクリプションに必要なキーワードを盛り込みました。
商品ページのコンテンツの拡充、導線改善なども行った後、Googleのリスティング広告を中心にネット広告の運用を開始しました。その結果として、月間売上高が28ヶ月連続で前年同月比を上回っています。
参照:itsumo.
10.株式会社ヴェルディ
画像引用:株式会社ヴェルディ(自家焙煎珈琲caffè Verdi通販サイト)
具体的に行った施策
- SEO対策
- WEBページの改善
具体的な成果
- 月間注文件数が前年同月比150%以上に増加
Google検索からの流入を増やすためにSEOに注力しました。商品に関する検索ワードで上位表示を狙う対策として、商品ページやカテゴリページのタイトルとディスクリプションを改善しました。また、自社ECサイトの導線の改善や、購入率を向上させるためのページ改善にも取り組んでいます。
その結果、自社ECサイトへの検索エンジンからの流入数は前年比20%ほど増加し、以前は100位までに入っていなかった検索ワードも20位以内に表示されています。
参照:itsumo.
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ECサイト立ち上げ時のポイント
ECサイトを立ち上げる際のポイントは次の3つです。
- 売上の方程式を知っておく
- 競合分析を行う
- 顧客の商品購入までのストーリー設計をする
以下、詳細を解説していきます。
売上の方程式を知っておく
「売上=訪問者数(アクセス数)×購入率×客単価」の方程式を理解することが大切です。
訪問者数、購入率、客単価と切り分けて考えることで、どこがボトルネックになっているか、どこに注力するべきかが明確にできます。
例えば、購入率が低い状態で広告に費用をかけても売り上げを効率よく増やすことはできません。その場合は、ECサイトやサービス内容の改善をし、購入率を上げてから広告に力を入れるとよいでしょう。
競合分析を行う
ECサイトの立ち上げでは、競合分析も大切なポイントです。
競合している他社の分析をすると、どのようにECサイトを構築するべきかが見えてきます。以下の3つの点を注意深く分析して参考にするとよいでしょう。
- 訪問者の導線の作り方
- 広告の出し方
- 商材の見せ方
そのほか、競合他社の分析をすることで、自社製品・サービスの相対的な長所・短所を見つけられるというメリットもあります。
顧客の商品購入までのストーリー設計をする
サイトを訪問してから商品を購入するまでのストーリー設計をすることも大切です。
自社製品の良さをアピールするだけでなく、想定する顧客が求めている知識を先に提供し、流れの中で自社製品が欲しくなるようなコンテンツ作りをするとよいでしょう。知識を提供する記事はECサイトへの導線としての効果も期待できます。
ECサイトを成功させる戦略
ECサイトは、ただサイトを立ち上げて様々な施策を試すのではなく、ECサイトの特徴を抑えた施策をすることが大切です。
ECサイトを成功させるための戦略を9つ紹介していきますので、参考にしてください。
オムニチャネル化する
オムニチャネル化とは、ECサイトなど複数のチャネル(販売経路)同士を連携させることです。実店舗とECサイト、SNSアカウントなどを連携してサービスを展開します。
一例を挙げると、ECサイトで注文した商品を実店舗で受け取れるようにする仕組みなどがあります。単体の販売経路ではできないようなサービス展開ができるため、小売業界を中心に広まっている戦略です。
また、スマートフォンの普及率が高まっている現代では、公式アプリを利用したオムニチャネル化も注目されています。従来のメールマガジンよりもアプリの通知の方が目に留まりやすいことや、紙媒体よりクーポンの配布がしやすいことから、公式アプリを開設している企業が増えています。
ECモールに展開する
ECモールは、複数の店舗やブランドが1つのサイトに集まって出店する形式のオンラインプラットフォームです。Amazonや楽天をイメージすると分かりやすいでしょう。
ECモールの集客力を利用できることが大きなメリットです。自社でECサイトを構築する場合は、SNSやWeb広告、SEO対策といったECサイトへの導線も考える必要があります。一方、ECモールへ出店する場合はECモールの集客力をそのまま利用できます。
ただし、同じECモール内の他店舗と比較されやすいことに注意しましょう。同じECモール内の他店舗との差別化をする工夫が必要になります。
越境ECで海外へ販売する
越境ECとは、日本国内から海外に向けてECを行うことです。海外市場の顧客を獲得できれば、ビジネスを拡大できます。
ただし、輸送コストが高くなることや日本とは違う法律や規制に対応する必要があることなどの越境EC特有のデメリットにも注意が必要です。
越境ECを展開する際は、自社でECサイトを作る方法や海外のECモールに出店する方法のほか、代行販売を利用する方法などがあります。
実際に商品を使用したときのイメージが湧くようなコンテンツにする
ECサイトでは、実際に商品を使用した時のイメージが湧くようなコンテンツにすることも大切です。商品のカタログスペックや性能などを紹介するだけでは、訪問者にあまり響きません。購入して実際に使用するとどうなるのかを訪問者に伝えるコンテンツを作る必要があります。
一例を挙げると、衣服の販売サイトであれば商品をモデルに着せた写真を載せたり、コーディネート例などを載せたりすると購入後がイメージしやすくなります。
購入後のイメージを湧かせることで商品に対する不安を減らし、ECサイトでの購入のハードルを下げることができます。
カゴ落ちを防ぐ対策をする
カゴ落ちとは、ECサイト中で商品をカートにいれたまま購入せずに離脱してしまう行為のことです。このカゴ落ちを防ぐことがECサイトでは重要です。
カゴ落ちの原因に多い理由に、会員登録の煩雑さや送料の金額などが挙げられます。したがって、会員登録をせずに購入できる決済サービスを導入したり、送料を無料にしたりするなどの対策を考える必要があります。
購入までのプロセスが長すぎてしまうと途中で離脱されてしまうので、購入時の手間は少なく、説明や金額は分かりやすく明示する設計にしましょう。
自社ECサイトのメディア化を図る
自社ECサイトを成功させるためには、自社ECサイトのメディア化も有効な手段です。
自社商品の特徴や使い方を解説するコンテンツを設置することで、商品に興味を持っている訪問者の購買意欲を高められます。また、自社商品の紹介だけでなく、自社商品のターゲットとなる層が検索しそうな知識などを公開して導線とすることも効果的です。
メディア化をする際は、検索結果でより上位に表示するためのSEO(検索エンジン最適化)対策も必須になります。SEOは年々難しくなってきているので、知識に自信の無い方はSEOの専門家に任せることも考えておくとよいかもしれません。
集客(広告やSNS運用)をする
ECサイトへ集客するためには、Web広告やSNSの運用が効果的です。
LINEやInstagram、Facebook、TwitterなどのSNSを活用して自社のECサイトへ誘導しましょう。SNSは拡散がしやすい仕組みになっているため、うまく運用できれば効率よく知名度を上げられます。
SNSごとに利用しているユーザー層が違うため、自社に合ったSNSを選ぶことも大切です。例えば、商品の見た目が強みの場合は画像が主体のSNSであるInstagramを利用するなどがあります。自社で判断が難しい場合は、SNSの運用代行サービスを利用するという手段もあります。
口コミ(お客様の声)を充実させる
ECサイトを成功させるためには、口コミを充実させることも大切です。
販売者による商品の紹介は押し売り感が出てしまいがちですが、口コミの場合は第三者による客観的な意見と捉えられやすいため、自然に購入者の後押しができます。口コミを載せる際は、メリットだけでなくデメリットもいくつか載せると、客観性のある口コミだと認識してもらいやすくなります。
口コミを集めるには、購入者にフォローメールを送り商品へのレビューを促したり、レビューをした人にクーポンなどの特典を付けたりする施策が効果的です。
店舗スタッフがオンラインでも活躍できる環境を整備
店舗スタッフがオンラインでも活躍できる環境を整備することもECサイトでは大切です。
一例ですが、株式会社クロシェは店舗スタッフによるInstagramでのライブ配信や、コーディネート投稿プラットフォームを導入しました。店舗スタッフによるこれらのオンライン接客を導線としてECサイトに送客した結果として、自社ECサイトの売り上げが前年比で約1.5倍に増加しました。
ECコンサルタントに依頼する方法もある
ECサイトは、Webサイト上で商品の購入ができれば良いというものではありません。ECサイトへの集客施策や訪問者の途中離脱を防ぐ施策、購入者の購買意欲を高めるようなコンテンツ設計などを考える必要があります。
それらの施策を自社で行うことが難しい場合は、ECに特化したコンサルタントに依頼する方法もあります。ただし、ECサイトのコンサルタントの中にもそれぞれ得意な分野・不得意な分野があるため、自社に合ったECコンサルタントを選ぶことが大切です。
Web幹事では、ECサイト制作会社やコンサルタントの紹介をしています。どのECコンサルタント会社に依頼すればよいか迷った際は相談してみてください。
実際にWeb制作・運用を経験したプロのコンサルタントが対応するため、業者選びの手間なく、質の高いマッチングを受けることが可能です。
ECサイトの成功事例を踏まえたサイト作りが重要
ECサイトの構築は、成功事例を踏まえたサイト作りが重要です。
市場規模が年々拡大しているEC市場ですが、参入している企業も同様に増えています。そのような状況でECサイトを成功させるためには、ECサイトをきちんと設計し、正しい施策と運用をしていく必要があります。
ECサイトの立ち上げでは、成功しているECサイトの事例から行った施策や成功した理由を学び、自社のECサイトに活かしていくことが大切です。
なお、ECサイト制作会社の探し方・選び方がわからない!という方はEC幹事にお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算に合った最適な会社を厳選してご紹介します。相談料・会社紹介料などは無料です。