ECサイト販促10の施策例|販売促進の目的・位置付け・実践のポイントを解説!
売上拡大に向け、ECサイトの販促施策を展開したい。しかし、どんな販促施策を実施すればいいのか?どうすれば効果的なのか?迷っているEC担当者は少なくないはず。
そんな方に向け、販売促進の目的・位置付けから有効な販促施策例、実践のポイントまで、ECサイト販促の基本を解説していきます。
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ECサイト販促の目的・位置付け
ECサイトを開設・運営する目的はさまざまですが、大きな柱となるのは「ビジネスの成長に向けて継続的に売上を拡大させる」こと。その目的を達成するために必須の活動が「マーケティング」です。
マーケティングとは、ビジネスの成長に向けて「売れる仕組み」を構築すること。調査・分析して狙うべき市場を定め、ターゲットに適した戦略を立案して実行に移します。この実行に移すべきマーケティング戦略の一部が販売促進。つまり、ECサイト販促(販売促進)の目的は「売上拡大」であり「マーケティング戦略の一部」という位置付けを持ちます。
購入までのプロセス「マーケティング・ファネル」
マーケティング戦略の一部となる販促の位置付けについて、もう少し補足説明しておきましょう。以下は、顧客が自社(商品)を認知してから購入にいたるまでのステップを図式化した「マーケティング・ファネル」という考え方です。
画像出典:SATORI株式会社
ファネル(Funnel)とは「漏斗(ろうと・じょうご)」という意味を持つ英単語。自社を認知してもらっても、「興味・関心」「比較・検討」「購入」へステップが進むごとに、対象ユーザーは絞り込まれていく概念です。つまり、いかに多くの認知を獲得するか、いかにステップごとのロスをなくすかが、マーケティング戦略なのだといえるでしょう。
販売促進で「比較・検討」を「購入」へ転換
このマーケティング戦略のうち、認知、興味・関心の獲得を担うのが「集客」、比較・検討、購入を担うのが「販売促進」です。つまり、販売促進は「比較・検討」しているユーザーの背中を押し「購入」へと転換させる役割を持ちます。
購入までのステップ |
マーケティング戦略 |
具体的な施策 |
認知 |
集客 |
・Web広告 / SNS広告 ・SEO対策 ・ブログを活用した情報発信 ・SNSアカウントを活用した情報発信など |
興味・関心 |
||
比較・検討 |
販売促進(販促) |
・キャンペーン ・会員システム ・ポイントシステムなど |
購入 |
ECサイトの集客については以下の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:自社ECサイトへの集客方法|集客の基本・具体的な方法・成功のポイントを解説!
ECサイトで重要なリピーター獲得・優良顧客化
ただし、マーケティング・ファネルは「見込み顧客を集客して新規顧客として獲得する」までの考え方です。ECサイトに限らず、小売ビジネスを継続的に成長させていくには、リピーターを獲得し、優良顧客化していく追加のステップが欠かせません。
なぜなら、リピーターと一部の優良顧客がECサイトのコアとなる売上に貢献してくれるからです。これは「売上の8割は2割の優良顧客によるもの」という、パレートの法則(2:8の法則)からも明らか。
つまり、ECサイト販促は「新規顧客を獲得する」「リピーターを獲得する」「優良顧客化する」3つの施策を並行して実施していく必要があります。
販促施策で活用するチャネル
それでは、ECサイト販促はどのようなチャネルを使って顧客にアプローチするのか。ECサイトへの集客では、主に「対価を支払って広告を掲載するペイドメディア」「自社で運営するオウンドメディア 」を活用しますが、販促の場合も同様です。
具体的には、キャンペーンなどの「即効性を期待する販促はペイドメディア」を活用した広告掲載が中心に。リピーター獲得や優良顧客化には「個別に対応しやすいオウンドメディア 」を活用した情報提供が中心になります。
※チャネルとは、顧客との接点になるメディアのこと
ECサイトの販促施策例:新規顧客獲得
ECサイト販促の目的・位置付け・役割を把握できたところで、具体的な販促施策例を紹介していきましょう。まずは、見込み顧客を顧客に転換する「新規顧客獲得」に向けたECサイト販促施策例です。
期間限定 / 数量限定キャンペーン
興味・関心は高まってはいるが、購入の決め手に欠けている。そんな見込み顧客の背中を押し、購入の決断を迫るのに有効な販促施策が「期間限定 / 数量限定キャンペーン」です。期間 / 数量を限定することで「買うなら今がチャンス」と感じてもらう効果があるほか、追加購入を検討する既存顧客のリピートを促すにも有効。
ブラックフライデー / サイバーマンデー / 新春セールなど、季節 / イベントを絡めたEC販促キャンペーンにも応用できます。
イントロプライス
「購買意欲を刺激する」限定キャンペーン同様の効果に加え、新商品 / サービスの販促効果も得られる施策が「イントロプライス」です。特にオリジナル商品 / サービスのプロモーションに活用すれば、知名度アップ、定番商材として定着させる効果も期待できます。
お試しキャンペーン
商品の良さを知ってもらうため無料で試してもらい、新規顧客獲得 / 商品購入につなげる販促施策が「お試しキャンペーン」です。化粧品 / コスメ / 飲料など、使ってみなければ良さがわからない商材に有効な販促施策。ECサイトの販促施策としてポピュラーな手法ですが、実店舗でも非常に有効です。
送料無料キャンペーン
ネットショッピングで意外にネックとなる「送料」に着目し、他社との差別化を図る販促施策が「送料無料キャンペーン」です。競合他社で同じ商品を取り扱っている、価格的な差はあまりないなど、どのショップで購入するか顧客が迷ってしまう状況を勝ち抜く決め手として使えます。
ただし、商品単価が低い場合は採算が合わないこともあるため注意が必要。一定金額以上購入、特定の商品購入、期間限定など、自社の事情に応じて施策内容を工夫することがおすすめです。
ECサイトの販促施策例:リピーター獲得
リピーターとは「自社商品 / サービスを繰り返し購入 / 利用してくれる顧客」のこと。つまり、リピーター獲得とは「自社ECサイトで商品を購入した新規顧客」に、繰り返し購入してもらうようアプローチすることです。
そのため、リピーター獲得に向けた販促は、既存顧客を対象に、自社ECサイト(オウンドメディア )を活用した施策を展開していきます。この点が、広告(ペイドメディア)も併用する「新規顧客向け販促施策」との違いです。
会員 / ポイントシステム
リピーター獲得に向け、まず着手すべき販促施策は「会員システム / ポイントシステム」の導入です。会員登録してもらうことで個別アプローチのできる環境を整備し、ポイントによって追加購入を促すことが狙い。ECサイトでは非常にポピュラーな販促施策であり、顧客の囲い込みにも役立ちます。
会員登録時にポイントを付与するなど、登録することによるインセンティブをアピールし、できる限り多くの既存顧客を囲い込むように工夫しましょう。
メールマガジンで販促情報配信
会員システムを導入する大きなメリットは、メールアドレスをはじめとした顧客情報を収集できること。このメリットを活用した販促施策が「メールマガジン配信」です。販促情報だけでなく、購入した商品に関連するお役立ち情報 / TIPSを配信することで、顧客のロイヤリティ(愛着や忠誠心)を高められます。
ポイントとなるのは、メールマガジンを配信するタイミングとターゲティング。たとえば、前回購入した商品がなくなるタイミングを見計らって配信するなど。そのためには、既存顧客をセグメント分類し、配信するメルマガのターゲットを絞り込む必要があります。ECサイトのメール配信機能が不足しているようなら、専用ツールの導入を検討しましょう。
クーポン配布
新規購入時に次回以降利用できるクーポンを配布することも、リピーター獲得に有効な販促施策です。なぜなら、インセンティブをアピールしても、顧客がアクションを起こさなければ会員登録してもらえないから。クーポンであれば、商品梱包時に封入することで顧客の手元へ確実に届けられ、次回購入を促すきっかけを作れます。
ECサイトの販促施策例:優良顧客化・LTV向上
優良顧客とは、商品 / サービスを継続的かつ高頻度で購入してくれる、売り上げ貢献度の高い顧客のこと。つまり、リピーターを優良顧客化するには、ロイヤリティを高めてLTV(顧客生涯価値)を高めていかなければなりません。
そのためには、ECサイト(オウンドメディア )を活用した個別対応を強め、顧客に「特別感」を与える販促施策を展開していきます。
会員ステージ・ランクシステム
顧客ロイヤリティ、LTVを高めていくのに有効な販促施策は「会員ステージ・ランクシステム」導入です。具体的には、シルバー > ゴールド > プラチナなどのステージ・ランクを会員システムに取り入れ、ステージ・ランクが上がるごとにポイント付与率を高くするなど。上位ランクのインセンティブを魅力的なものにできれば、施策の効果はより高まります。
なぜなら「上位ランクを目指すため購入頻度が高くなる」など、顧客の購買意欲を刺激できるから。また、上位ランクのインセンティブに「特別感」があれば、顧客のロイヤリティが高まり「ランクを維持するため継続利用しよう」という意識が働くからです。
会員限定セール
ステージ・ランク別の会員限定セールを定期開催し、顧客の優良化を促していく販促施策です。たとえば、ステージ・ランク上位会員の条件を優遇して公開することで、新規顧客が会員を、下位ランク会員が上位会員を目指すインセンティブになります。
すでに優良化している上位会員向けには、シークレットセールで特別感を演出することも効果的。上位ランクを維持していくためのインセンティブとなるでしょう。
定期購入割引
すべての商材で使えるわけではありませんが、定期購入割引はLTVを高めていくために有効な販促施策。購入期間が長期になるほど割引率を高くすることで、顧客の有料化を促し、LTVを最大化する効果が得られます。
ECサイトの販促効果を高める実践ポイント
ここまでで販促の目的・位置付け、活用するチャネルから、目的別の販促施策まで、ECサイト販促の全体像を解説してきました。これらを踏まえた上で、販促施策を実践する際のポイントを紹介していきましょう。
販促カレンダー / スケジュール
いつ / どのような施策を実施するのかを販促カレンダーに落とし込み、不備なく開催できるよう準備作業もスケジューリングしておきましょう。
たとえば、期間限定キャンペーンなどは、商材の特徴にあわせた適切なタイミング、季節 / イベントにあわせることが効果を最大化するポイント。思いつきで販促施策を実施するのではなく、年間計画として落とし込んでいくことが大切です。
販促施策ごとのターゲティング
だれに / どのようなアクションを起こして欲しいのか?販促施策の目的を明確にし、適切なユーザーにアプローチできるようターゲティングを徹底しましょう。
当たり前のことですが、会員向けの販促施策を実施するのに、Web広告を利用してもあまり意味はありません。つまり、ターゲティングがあやふやなままでは、販促施策に活用するチャネルを誤ってしまうばかりか、ムダなコストを費やしてしまうことになりかねないのです。
効果測定 / 改善のサイクル化
実施した販促施策は必ず効果測定し、課題抽出、改善に向けた仮説、次回施策に反映という流れをサイクル化していきましょう。
そのためにも、販促施策の目的明確化、ターゲティングが非常に重要。施策立案時に数値的な目標を定めておくことで、課題・問題点も把握しやすくなります。これはEC販促に限らず、ビジネスを成長させていくための基本です。
ECサイトの販促施策例・実践のポイントを紹介しました
売上拡大に向け、ECサイトの販促施策を展開したい。しかし、どんな販促施策を実施すればいいのか?どうすれば効果的なのか?悩んでいるEC担当者の方に向け、販売促進の目的・位置付けから有効な販促施策例、実践のポイントまで、ECサイト販促の基本を解説してきました。
売上という結果に直結するため、どうしても施策そのものに目を向けてしまいがちですが、販売促進はマーケティング活動の一部です。市場における自社の位置付けを把握し、売れる仕組みづくりの一環として販促施策を実施することが肝心です。
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